勝手に論愚選2020.01.09【産経俳壇2020.01.09】【産経歌壇2020.01.09】 | 論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

【産経俳壇2020.01.09】
〔宮坂 静生 選〕
極楽に行くべく努力去年今年(こぜことし)(山梨市 石田 初江)
(評)除夜の鐘が鳴り終わり、いよいよ今年を迎えた。極楽に行くために、どんな努力をするのか。気持ちを引き締めて、という意が伝わってくるようだ。

吊されて瞑想に入る大根かな (白井市 毘舎利 道弘)
深海の黙(もだ)一身に海鼠(なまこ)かな (草津市 あびこたろう)
冬に入る大日如来袈裟一枚 (河内長野市 滝尻 芳博)
頹齢(たいれい)についてくれたる草虱(くさじらみ) (枚方市 船橋 允子)

〔寺井 谷子 選〕
冬木立土に書かれてある算数 (尼崎市 永田 圭司)
(評)葉を落とした冬木立。その下を通りかかって、地に書かれた数字を見つけた。小学生か。多分、道に落ちていた枯れ枝で書いたもの。おだやかな冬日和。

外套の背に浮かびたるFINの文字 (川口市 渡邉 しゅういち)

【産経歌壇2020.01.09】
〔伊藤 一彦 選〕
若作りおしゃれですネと声かかる放蕩(ほうとう)息子の置き土産着れば (和泉市 東 久)
(評)上着かセーターか分からないが、息子からのプレゼント。周りからおしゃれですといわれてまんざらでもなかったはず。「放蕩息子」とは照れながらの愛情表現。

「私も」といつもの言葉が出た妻の負けず嫌いに負けて平穏 (富田林市 山中 哲夫)

〔小島 ゆかり 選〕
弧を描くしあわせのあり冬の蝶きょうとあしたは繋がっている (北本市 狩野 あきこ)
(評)「弧を描くしあわせ」とはなんだろうと思うと、冬の蝶がゆるやかに飛ぶ場面が描かれる。そして下句へ。やさしく、少し謎めいた詩的なイメージの連鎖。

【産経テーマ川柳】テーマ「旅」
門松は百寿を目指す一里塚 (東京・目黒 川村 亮介)
(評)(門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし)ですね。今や、百寿を目指す一里塚。

旅に出た妻より指示が2度3度 (大阪市 多胡 嘉昭)
(評)旅に出た妻からの度々の遠隔操作。のんびりできませんが、妻も心配なのでしょう。