三月五日 啓蟄 私の春はこの日から始まる。 | バーテンダーは心の名医

三月五日 啓蟄 私の春はこの日から始まる。

 三月五日 啓蟄 先生の一文に 

   「三月五日 啓蟄 私の春はこの日から始まる」

 と書く止めてありましたが 冬ごもりから出て来る の意ですが、先生が啓蟄の

 日にされることはなんですか。

       (国文学生)

 私は 拝啓の啓 と 蟄居 の蟄 を合わせた言葉を 啓蟄と判断している。

 蟄居の意味は、家にこもって外出しないこと であり 江戸時代、公家、武士に

 科した刑の一種で、外出を禁じ、自宅の一室に謹慎させる刑だった。

  それがいきなり解放された喜びや如何に、拝啓と フリーダム(自由の身) 

 にあいさつしたい気持ちが伝わって来る言葉である。

  つまり、私の二十四季節の 「啓蟄」 は 新しい始まりに参詣したいという日

 となっている。

 私はこの日を待つ楽しみの一つが 「蕗の薹味噌」 と 蕗の薹をあらあらとき

 ざんだものを浮かべた 「春子(小鯛)のおすまし」 だ。

   酒は 季節の肴を呼ぶが、啓蟄の日の私の酒は 蕗の薹を呼ぶことにして

 いる。

 そして挨拶として こんにちわ は忘れないことにしている。長いこと待ったのだから。