昨日は芥川賞作家・中村文則氏の講演会。場所は、日本経済新聞社名古屋支社の会議室。彼は若干31歳。期待薄だったため、逆に良かったです。
この講演会の趣旨は、KDDIのキャリアデザインセミナー「去年の違う夏。」Vol.2ということで、本来の対象は若いビジネスパーソン。ほぼ満席の150席には8割以上が男性、しかも40代以上。メガネ、真面目そう、小説家志望または中村氏のファンでしょう。イケメンはいなかった。後方で背広を着てズラリと並んでいた日経の社員はかっこよかったです。女性はちらほら。私と友人がとても目立っていました。20代の女性はほぼ皆無。明らかなマーケティングのミスマッチが起きていました。KDDIと日本経済新聞社にとって費用対効果があるのか……疑問
人生は1回だけ。生まれ変わるかもしれないが、ひとまず1回と考えてみよう。好きなことをするため、就職せずフリーターになった。目標を達成するため期限を決めた。2年。自分を追い込めるから。
貧乏は人を賢くする。東京の田舎、月8千円のアパート。風呂なし、トイレなし、ドアなし。そこに入居をしようか迷ったが、やはり他のアパートへ。全財産が250円になったことがある。コンビニでカップのイカ焼きそばを買い帰宅したら、ガスが止まっていた。炊飯器でお湯を沸かせばいいと思いついた。その炊飯器は壊れた。
3つの成功の秘訣
人は自分のことを過大評価し過ぎる。だから、めちゃめちゃ厳しい他人になりきり、自分を客観的に見てみる。
人と違うことをする。
自分ならば、他の作家が書けることは書かない。
人より多くの努力をするしかない。すなわち、多くの時間を割くこと。
人間は同じ霊長類。個人の能力に大差はないと信じる。違いは、このが大きいのでは?
本ならば、ドストエフスキー。
人は、古井由吉、ベルギー人でフランスの映画監督(すみません、名前を書けませんでした)、そして、豊田章一郎からものすごいオーラが出まくっていたのを感じ、ビビッた。
人に会って感動するだけでなく、追いつくことが大切だと思う。
しかし、出会いに安心してはいけない。人脈は知っているだけではないと同じ。自分が成長してそのレベルに達していないと意味がない。
悩みや問題が解決する瞬間がある。それは、僕の場合、そのことをずーっと、ずーっと、ずーっと考え続けていたからこそ、ふとした瞬間が到来する。
哲学者ルソーもよく散歩をした。僕もよく散歩をする。考えながら散歩をする。都会は危ないので、公園のウォーキングコースなど。発想のヒントが得られる。
メモを取る。人は忘れる生き物だから。メモを取ることで、自分の能力以上のことを残せる。許容範囲を広げる行為がメモだ。
自分の“好き”“嫌い”を限定しない、自分で勝手に決め付けない方がいい。幅を広げる。何事にも触れる。
僕の性格は暗い。暗いってことは、「世界に対して疑いを持つこと」
はずれていてもいい、ということを小説を通して描きたい。例えば、性格は暗くてもいい、どうしてみんな明るくなくちゃいけないのか、ってことだ。
村上春樹の『1Q84』現象は正直羨ましい。ミステリー作家の中には、プロ野球のトップ選手より収入が多い人がいて、打ち合わせはキャバクラか銀座以外ではしない、ってことを聞く。10月に『スリ』という小説が出るが、これは売れて欲しいので、普段は全く宣伝しませんが、皆さんこれだけは買って下さい。
中村文則はお話が上手で、なにより声質が良い。なかなかユーモアがあって、まあ、だからオファーがくるのでしょう。講演会のあと、友人と私がカフェで感想を述べていて結論が出ました。2人とも、「彼なら、付き合ってみたい」でした オバサンたちが上から目線ですみません。