なんか最近、よしもとばななに急に興味が湧いてきたので、買って読んでしまいました。
岡本太郎の養女、実質的には妻であった岡本敏子との恋愛対談。
岡本敏子がこんなに魅力的な女性だったとは今まで知りませんでした。どんな語りをする人なんだろう、と早速YouTubeで検索して彼女が話す姿を観たら、なんか感動して泣けたっ~~
瀬戸内寂聴もそうだが、笑顔で語っているだけであの説得力がでるのは、すごい。やっぱりおばあちゃんたちを馬鹿にしちゃいけない。年輪が違う。これまでの人生経験全てが、なんとも言えない人相となって現われていて、それだけで泣ける……。美醜じゃない魅力。綺麗だとかそんな甘いもんじゃない人の相があるんだ。私も、こんなおばあちゃんになりたい、と心底思った。
そんなことはさておき、この恋愛対談、内容がかなりぶっ飛んでいる
よしもとばななとの対談時、敏子さんは70代後半だったにもかかわらず、
「もしも緊急に私を必要としている男がいたら、全てをほうって行くでしょうね」と言っている。
岡本太郎の死に対して悲劇のヒロインになりきって、「生涯彼の遺志を守ります」とは固執していない。
カッコイイ~ ヤバイ
また、男の浮気と女の嫉妬についても、苦言を呈する。
「…今そこに彼が帰ってきて抱き合えるのに、「どこへ行っていたのよ。あの人と何かしてたんでしょう」とか、そっちのほうを実在にすることはないの。バカじゃないのと私は思うよ。今そこにいる二人が向き合っているほうがずっと実在なんだから、そのことを大事にすべきじゃない。ほかのことなんて、やきもち焼いている暇はないの。」
「…自分の前にいなかったときのことを、なんでそんな実在にしたがるのか」と言い放っています。
そりゃ、わかっちゃいるけど、藤原紀香のような絶世の美女だって心配で陣内の携帯見て、ノイロっちゃうんですよ~。私レベルは本気の恋したらすぐこてんぱんにやられて、毎度死ななきゃいけないじゃん、と思ってしまった
岡本太郎という変人芸術家を操縦するなんて、素晴らしい女性だ。スケールが違う
やはり根底にあるのはフレンチカルチャーであって、パリジェンヌ、マドモアゼル~なんでしょうか。
この恋愛対談、めちゃ面白いです。こんなお友達は周囲にいないから、やっぱり本を通じて人と出会うって素敵です