『失礼ながら、その売り方ではモノは売れません』 林文子著 | 読書至上主義

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毎日1冊は本を買ってしまうワタクシの雑感です。

“営業のカリスマ”林文子氏が出版した本。BMW社長、ダイエー会長兼CEOという輝かしい経歴の持ち主。


私が林さんの講演を聴いたのは、2004年夏。EWOMAN の佐々木かをりが主催する「国際女性ビジネス会議」に参加した時です。聴衆の誰もが彼女に一気に引き込まれて感動しているのがわかった。名スピーチだった。私は林さんの話を聴きながら涙がぽろっと一粒こぼれてしまったので、恥ずかしさから慌ててハンカチで拭いて「別に!」と誤魔化したのを今でもしっかり覚えていますニコニコ

とにかくお話は、人間臭い人でした。会社に出勤して彼女がいつも気にすることは、「今日はこの人のご機嫌はいかがなのだろう?」ということらしい。人の気持ちをいつも考える人。それを営業でも実践する。


この本で印象に残ったのは、VW時代の営業所にお客様が現われると、まずはお客様個人に関心を持ちましょうと営業マンに指導していたこと。

「この人は修理のお客様かな、それとも新車購入をお考えかな」と考える前に、「どこからお越しになったのか、結婚されているのか、どんなお仕事なのか、素敵なシャツだな」と思いを巡らせよう、と。


営業は、人が好きなこと(言い換えれば人に関心を持つこと)が欠かせない要素だそう。


林さんがよく言う言葉に、「ホウレンソウは上司から」があります。これも素晴らしいクラッカー


それから、「話しコミ」ぶーぶー

とにかく上司、部下、同僚と他愛もないことを話すことを推奨していますかたつむり

営業から帰ってきた人に、「相手の反応、どうでした?」と聞くのではなく、「お昼、食べた?」と話せば、「まずは、あなたのことを気にしているんですよ」と伝わる。そうやって、その日のチーム内の一人一人に接し、全体の雰囲気を底上げするようです。これは、女性ならではの視点かもしれません虹


林さんの逸話は数々ありますが、絶対にはずせないのはBMW入社時に10枚にわたる手紙を書いてアピールしたこと。41歳の女性セールスは採用しないと何度も断られたにもかかわらず、それでも諦めずに「自分を採用したらどんなメリットがあるのかを綴った」という。その手紙が決定的となり、「試してみよう」と人事が根負けしたそうな……。そして、そんな彼女がその後なんと社長にまでなるとは……!!!叫び

本当にすごい方です!!車


林さんのようなスーパーウーマンにはなれないけれど、彼女の気遣いや優しさラブラブは営業の仕事をする中で実践してきたつもりです。


実物の林さんは、名刺交換した時、鋭い目つきと厳しい身のこなしにものすごいオーラ音譜を感じました。優しさと厳しさの両方が備わった理想的な上司だろうなぁ~、こんな方の元で働きたいぃ~、と強く思った自分を思い出しますクローバー