ずっと読み続けていた一冊の小説を、数日前、ようやく最後のページまで読み終えました
本を閉じた瞬間、ほっとしたような気もしたし、どこか少し物足りないような、不思議な感覚も残りました。
物語はきれいに終わったのに、なぜか夜の時間だけが、ぽっかり空いてしまったような気がして。私は、寝る前のわずかな時間をとても大切にしています。メッセージは見ないし、コメントも返さない。動画の編集もしない。ただ一日を、ゆっくり静かに終わらせるための時間です

昨日の夜は、その時間に、試しに絵を描いてみました。正直に言うと、自分はわりと手先が器用なほうだと思っていました。料理なら手順も覚えられるし、火加減で大きく失敗することもあまりありません
でも、いざペンを持ってみると、まったく別の話でした。細いペン、太いペン、水彩、マーカーペン。これまでに何本も画材を買ってきました。いつか簡単なイラストくらい描けたらいいな、なんて思いながら
ところが現実は、いちばん簡単な線画ですら、思うように描けません。線は震えるし、バランスも崩れる。途中から、だんだんイライラしてきてしまって。
そのとき初めて、「好き」と「得意」は、まったく別なんだなと気づきました。ちょうどそんなタイミングで、友人からメッセージが届きました。
「iColoring AI、使ってみたら?」
最初は、きっと難しいお絵かきツールなんだろうと思っていました。でも実際に使ってみると、むしろ私みたいに「色を塗ることしかできない人」のためのツールでした
文字を入力するだけでもいいし、画像をそのままアップロードしてもいい。構図を考える必要もないし、線が下手でも気にしなくていい。やることはひとつ、色を選ぶだけ、AI塗り絵はすぐ出来た

「どうせうまく描けないし」と、半分あきらめた気持ちで試してみました。
私は常温の白ワインを一杯注いで、部屋の照明を少しだけ落としました

最初に入力したのは、「ヒトカゲ」。画面が切り替わった瞬間、線がすっきりした、シンプルなヒトカゲのAI塗り絵が現れました。背景も複雑じゃなくて、どこから塗ればいいのか迷わない。
オレンジ色を重ねていくうちに、ヒトカゲが少しずつ、生き生きしてくる気がして。正解も、不正解もありません。ただ空白に色を置いていくだけ。それだけなのに、ほんの少し「絵を描いている人」になれた気がしました
これまで、寝る前の時間は決まって読書のためのものでした。でも、これからはときどき、こうして絵を描く夜があってもいいのかもしれません。
たぶん、私たちに必要なのは、「上手に描くこと」ではなくて
誰とも比べなくていい、評価されなくていい、そんな夜なのだと思います。
一枚のAI塗り絵と、少しの色があれば、
一日は、それだけで、ゆっくり終わっていきます
