初版のグリム童話が往時のドイツでは禁書と言うか
発禁になった事を御存じで在りましょうか・・
元々アレは巷説や民話を拾い集め編纂したもので
童話と言うには微妙にナニだったから・・・
こまどりという話では継母が息子ぶち殺し親父に喰わせます。
赤ずきんは原作準拠なら殺された婆さんの肉と血を
狼の悪辣な悪戯にひっかかり不味いと言いながら喰います。
しかも赤ずきんが喰われるというのは物理的にだけでなく
性的にさんざん喰われた後に、という暗喩も其処かしこに。
一番の原作改変が成されディズニーの元祖ヒロインに成った
白雪姫なんざ、まあ、アナタ(嘆息)・・惨いもんですぜ・・
まず、白雪姫の美貌に嫉妬ってえ母親、継母じゃなく実母。
しかも白雪ちゃん其の時10歳、まあ往時の西欧では実際に
12~3で婚姻、出産のケースも在ったらしいですから
とっても発育の良い女の子だったんだろうなあ、と・・・
其れに黒檀の瞳、赤い唇、雪の肌に鳩のような胸って描写
原作準拠するとエロいけど美人とは書いてないらしくて。
実際11歳の誕生日に親父(王様)が寝室に連れ込んで
一夜過ごしてから凄まじく奇麗に・・という異本まで(笑)
そりゃあ実母でも殺そうと思うかも知れませんわなあ・・
狩人という往時最下層身分の平民に命じ殺させるんですが
一部の説では此の狩人、気の毒にと思って助けたんじゃ無く
此のロリ姫の色香に迷って凌辱し情が移って助けた、と(嘆息)
で、獣の肝臓を殺した証拠に持ち帰るんですが此れをですね
実のお母さまが鍋で煮つけて喰ってしまいます・・
グリム童話、多いんです此の種の食人描写が実際のところ。
恐らく往時の独逸、文化の無い農民階層や被差別階層に於いては
救荒の為の食人や呪物としての食人が多々在ったのではと
小生は愚考したりしてますが、実際古代中国では人間の肉の事を
両脚羊と隠語で呼び、あの三国志の劉備も喰ってますからねえ。
今のモラルで考える訳にも行かぬのでしょうが・・
で、森に遺棄された白雪ちゃんを拾ったのは7人の矮人(こびと)
でも、此れ初版では7人の=人殺し=になってんですよ(爆)
人気のない森深く棲み暮らす7人の殺人鬼が拾っちゃう訳で
其の後何がどうなるかは、推して知るべしでありますなあ。
連中のアジトに=飼われた=姫は其れでもまあ
楽しく暮らしてた・・そういう記述が実際あるんで、
此の子少し=脳が足らない=のかも、と。
白雪姫、元々は雪白姫なんですよね単語の並び的には・・
白い肌でむちむちの12~3歳、しかもちょっと=白痴=系?
なんてえ下衆の勘ぐりも出来そうなグロテスクインモラル具合。
しかも、此の莫迦むすめ・・其処までの目に在って居ながら
実母のコスプレした老婆が呉れた林檎(毒入り)を、其の・・
何の警戒心も無く喰って一撃で屍骸に成ると言う脳足らずぶり。
可愛い夜のお友達が頓死して流石の7人の人殺しも意気消沈
其れでも情が移って埋められないで花の褥に寝かせました
此れ、葬儀的には香草や香りの強い花弁で死臭を・・・
で、更に問題が・・此の死臭と言うか気配嗅ぎつけて来た男。
此れ原作初版にも記述在るんですが、此の王子さま
・・=ネクロフィリア=の気が在ると書いてあるんですな。
要は人形愛に近い、死体のおんなに萌えるという=純粋な変態=
多分金でも掴ませて此の美麗でエロい美少女の死体の
肢体を堪能すべく馬車呼んでお持ち帰り・・の、最中に・・
我慢できずに、其の、童話で描かれたキスを含め
色々=やっちゃった=らしいんですな。
其れも揺れる馬車の中・・コレが効いたんやら知れませんが
此の莫迦姫、白雪姫ちゃんは蘇生します・・此処だけ童話風に。
其の時王子さま、あっ、しまったぁ・・と
思ったかどうかは知らず語られず見るな聴くな(笑)
最後、此の変態と莫迦は夫婦に成り
実の母親に焼けた鉄の靴を履かせ
死ぬまで猫じゃ猫じゃを踊らせて公開処刑し鬱憤を晴らします。
で、何故かもう一人の当事者、王様の存在は
・・ほぼ語られて居ません。
此の話の勃発直後に王妃に消されたか
最後王子(旦那)に殺(や)られたか
大方そんなとこなんじゃないか、と愚考したりしてますが・・・
でも、本当に怖いのは此の凄まじい話の最後が
定型の止めで終わってる事。
・・ふたりは末永く幸せに暮らしました、とさ・・
・・って、アナタ(慄然)
初版が発禁になった理由・・判るっしょ?普通に考えたら(笑)
著者のグリム兄弟は巷説の民話を忠実に収集しただけで
何の意図も罪も無いんですが・・兄貴はインテリの生涯独身で
妻帯した弟が死んだとき=僕のベターハーフが逝った=と
蹌踉と嘆き哀しみ程なく後を追うように死んでたりするのです。
此の辺りも深読みすると、陳腐なBLじゃないっすが
ちょいとインモラルな匂い・・しませんか?
以上・・病床の徒然に綴る、莫迦親父の
飲み会で使えるかな?な薀蓄でありました。