構想はアナログでまとめる

プレゼンテーションソフトを開く前によく考えて流れを作ること。アイデアは紙やホワイトボードに書く。

傑出したプレゼンテーションを作る9要素
・ヘッドライン
・パッションステートメント 「この製品が私は大好きだ。なぜなら...」
・3つのキーメッセージ
・メタファーとアナロジー
・デモ
・パートナー
・実例と推薦
・ビデオクリップ
・フリップチャート、小道具、実物で説明

ジョブズのように話せるかどうかは、どのプレゼンテーションソフトを使うかではなく、そのようにストーリーを作り、発表するかにかかっている。

一番大事な問いに答える

「聞き手はなぜ、このアイデア/情報/製品/サービスに注意を払うべきなのか」と自問すること。会話が終わったとき聞き手に覚えておいてほしいポイント、それをひとつだけ挙げるとしたら何だろうか。製品を売り込む場合は、その製品のメリットに着目すること。

選んだポイントを出来る限り明快に伝える。会話やプレゼンテーションが終わるまでに少なくとも2回は伝えること。メッセージを明快にするため、バズワードやジャーゴンはなくす。

選んだポイントを、プレスリリース、ウェブサイト、プレゼンテーションなど、すべてのマーケティング資料で繰り返し同じ形で取り上げる。

救世主的な目的意識を持つ

見つかるのは「モノ」ではなく、モノが顧客の暮らしをどう改善するか、であることが多い。自分の心を探り、情熱を注げるものを見つけること。「私が売り込もうとしているものは、本当のところなんなのだ」と自問するのだ。それは「モノ」ではなく、モノが顧客の暮らしをどう改善するか、のはずだ。売っているのは、よりよい暮らしという夢なのだ。本物の情熱を自覚できたら、それをみんなに楽しく伝える。

自分だけの「パッションステートメント」を作る。なぜ心から真剣にそうしているのか、その理由を1文にまとめ、売り込む相手に伝えるのだ。一緒に説明した会社のミッションは忘れられても、パッションステートメントは相手の心に残るはずだ。

聴衆に感銘を与えられるスピーカーになりたいが今の仕事がどうしても好きになれない場合、仕事を変えることを考えるべきだ。成功を収めたリーダー、数千人から話を聞いた結果、わかったことがある。仕事が大嫌いでも大儲けは可能だが、聴衆に感銘を与えられるコミュニケーターには絶対になれない。情熱、つまり、世の中をよくしたいという熱意が違いを生むのだ。

ツイッターのようなヘッドラインを作る


会社、製品、サービスなどのビジョンを1文で表すヘッドラインを作ること。効果的なヘッドラインとなるポイントは、簡潔であること(70文字以下)、具体的であること、受けて自身のメリットを示すことだ。


プレゼンテーション、スライド、パンフレット、資料、プレスリリース、ウェブサイトなどのマーケティング資料および会話で、同じヘッドラインを繰り返し用いること。


ヘッドラインとは、よりよい未来というビジョンを聴衆に提案するものという点を忘れないこと。あなたにとってのよい未来ではない。聞き手にとってのよい未来だ。


ロードマップを描く


紹介する製品、サービス、会社、構想について、聴衆に知ってほしいと思うポイントをすべてリストアップする。

このリストを分類し、主要メッセージが3つなるまで絞り込む。この3つのグループが、売り込みやプレゼンテーションのロードマップとなる。


3つのキーメッセージ、それぞれについて、効果を高める部品を用意する。体験談、事実、実例、アナロジー、メタファー、推薦の言葉などだ。


敵役を導入する


「オンラインの小売業で最大かつ最も成熟しているのは旅行業であり、その取引額は米国だけで900億ドル以上にのぼります(カテゴリーを設定)。旅行のオンライン予約は、誰にでもできることです。でも、予約というのはすることの最後の5%にすぎません(問題の導入を開始)。予約の前に行う95%のこと…行き先を考え、計画を立てる…大変なのはこの部分なのです。旅行の計画を立てるためのツールとコンテンツをシームレスに統合して旅行計画の策定を簡単にし、ひとつの体験へと昇華させるのがトラベルミューズです(解決策を提案)。」


1.何をするのか?
2.どの問題を解決しようとしているのか?
3.ほかとはどう違うのか?
4.なぜ気にかける必要があるのか?


これらの質問に1分以内で答えられるようにする。


プレゼンテーションの早い段階で敵役を導入する。解決策を提示する前に、必ず、問題を提起するのだ。問題提起は、聴衆が痛みを感じる部分を鮮明に思い描ければ簡単に行える。「なぜこれが必要なのか」と自問すれば問題は提起できる。


時間を割いて問題を詳しく説明する。聴衆に実感を持ってもらう。痛みを強く感じてもらう。


上の4つを使ってエレベーターピッチを作る。2番目の質問、「どの問題を解決しようとしているのか?」に特に注意を払うこと。忘れてはならないのは、あなたの製品など気にする人はいないということ。人々が気にするのは、自分の問題を解決することなのだ。


正義の味方を登場させる


業界や製品のカテゴリーの現状を描写し、それがどうあるべきなのか、自分のビジョンを紹介する。


ユーザーが痛みを感じるポイントをはっきりさせて敵役としたら、自分の会社、製品、サービスがどのような形でその痛みをやわらげてくれるのか、わかりやすい言葉で説明する。


「正したいと思う問題に対して情熱を持っていなければ、最後までがんばりとおせない」


禅の心で伝える


箇条書きは避けること。必ず。いや、なるべく、か。書類や電子メールなど読まれる事が前提の場合には箇条書きを使ってもよい。実際、箇条書きを使った方がわかりやすくなることも多い。しかしプレゼンテーションのスライドでは使わないこと。絵を使うほうがずっとよい。


1枚のスライドはひとつのテーマに絞り、それを写真や画像で補強する。


見た目が美しいスライドを作れるように努力する。アーティストでなくてもイメージ豊富なスライドは作れる。


数字をドレスアップする


プレゼンテーションの中核となるテーマには、それを支持するデータを用意すること。どの数字を使うのかよく考えること。数字を多く出しすぎると聞き手がいやになってしまう。


データは具体性、意義、文脈性が大事である。言い換えると、数字を、聞き手の暮らしに密着した文脈に置くことが大切である。


アナロジーなどの方法で数字をドレスアップすること。


「びっくりするほどキレがいい」言葉を使う


コピーの文句をすっきりさせる。くり返しをなくし、バズワードをなくし、ジャーゴンをなくす。直して、直して、さらに直すのだ。


英語の場合は、UsingEnglish.com提供のツールなどで、文章がどのくらい「難解」かを確認する。


言葉で遊ぶ。製品の説明で、大げさな言葉や写実的な形容詞を使うのは問題ない。マッキントッシュのスクリーンに表示されるボタンはあまりにも素敵で、「思わずなめたくなる」とまで表現した。自信があればここまでできる。


ステージを共有する


新しい製品やサービスを発表する前に、顧客に試験をしてもらい、発表内容が正しいと証言してもらうこと。信用のある媒体や人気のブログなど、メディアの評価にも役に立つ。


顧客からもらった推薦の言葉をプレゼンテーションに組み込む。一番簡単なのは、製品について顧客に語ってもらってビデオに撮影し、2分以内に編集してプレゼンテーションに挿入する方法だ。


公の場で社員やパートナー、顧客に感謝する。頻繁に。


小道具を上手に使う


すばらしいデモには以下の5つの共通点があるといわれる。


1.短い。
2.シンプル。
3.魅力的。
4.軽快。
5.実質的。


計画の段階からプレゼンテーションに製品のデモを組み込む。デモは短くする。魅力的かつ実質的でもなければならない。デモに参加してもらえるチームメンバーがいれば、参加してもらうのもいいアイデアだ。


デモは全力で行う。全力でやらなければジョークは決まらないとプロのコメディアンは言う。同じように、デモは全力で行うこと。製品にエンターテインメント的な価値がある場合はなおさらである。心の底から楽しもう。


目から吸収する人、耳から吸収する人、体から吸収する人という3種類のタイプ、すべてに対応する。


「うっそー!」な瞬間を演出する


「うっそー!」な瞬間を作り込む。画期的な発表である必要はない。体験談を話す、新しい情報や予想外の情報を提供する、デモを行うなどの形でも、聴衆の記憶に残る瞬間を演出できる。スティーヴン・スピルバーグなど映画監督はそのような瞬間を演出して人々に元気を与えたり、笑わせたり、何かについて考えてもらったりする。人というのは美しい瞬間や感動的な瞬間が大好きな生き物だ。そういう瞬間をプレゼンテーションに作り込むこと。予想を大きく外せれば外せるほどよい。


感動の瞬間に向けた筋書きを作る。十分に盛り上げてから爆弾を落とすこと。優れた小説が1ページ目で筋書きをすべて明らかにしてしまうことはない。同じように、プレゼンテーションのドラマも少しずつ盛り上げてゆくべきだ。ブルース・ウィリス主演の映画、「シックス・センス」の鍵となるシーンは最後、ほとんどの人がまさかと思うどんでん返しである。そのような驚きをプレゼンテーションに組み込む工夫をしてみよう。少なくともひとつ、聴衆がびっくりして、あとで話題にするような瞬間を用意しよう。


爆弾投下はよく練習しておくこと。感動体験を用意したのに練習不足で不発に終わらせてはもったいない。明快、完ぺき、自然にできるようになるまで練習する。デモがスムーズに行えること、スライドがタイミングよく投影されることも重要だ。


存在感の出し方を身につける


体が発するメッセージに注意を払う。アイコンタクトを保つ、開いた姿勢をとる、必要に応じて身ぶり手ぶりも活用する。思い切って手を使うこと。しぐさというのは複雑な考えを反映するもので、適切なしぐさは自信の表れだと感じられることが研究によって確認されている。


抑揚をつける、声を大きくしたり小さくしたりする、しゃべるスピードを変えるなどして、しゃべり方に変化をつける。間によってコンテンツに一息つかせることも大事である。上手な間ほど話を盛り上げるものはない。


自分がしゃべっているところを録画して見る。体が発するメッセージを感じ、しゃべり方を確認するのだ。プレゼンテーションのスキルを高めるには、ビデオで自分の姿を見るのが一番である。


簡単そうに見せる


1に練習、2に練習、3、4がなくて5に練習。どんなことでも、大丈夫だろうなどと思わないこと。スライドを1枚、1枚、デモをひとつひとつ、キーメッセージをひとつひとつ、確認する。何を言うのか、いつ言うのか、どのように言うのかを体が覚えてしまうほどに練習するべきだ。


自分のプレゼンテーションを録画する。何万円かを投じてカムコーダーを購入し、自分を録画して見る。プレゼンテーションの全部を録画する必要はない。最初の5分間だけで必要な情報は得られる。録画を確認し、聞き手の注意をそらせるボディランゲージや口癖、つなぎの言葉がないか探す。できれば、他の人にも見てもらったほうがよい。


厳しい質問への対応はバケツ方式で用意する。7種類もカテゴリーを用意すれば、ほとんどの質問に対応できるはずだ。


目的にあった服装をする


今の立場ではなく、こうなりたいと願うリーダーと同じような服装を選ぶ。優れたリーダーは、他の人よりも少しだけよい服を着る。ジョブズでさえ、銀行に融資を申し込むときには高価なスーツを着ていったのだ。


場の文化に即した服を着る。黒いタートル、ブルージーンズ、スニーカーはスティーブ・ジョブズだから許される。現状の打破がジョブズブランドの中心だからだ。


服装で反骨を示すなら、裕福な反骨者とすること。ジョブズはセントクロイのタートルを着ている。単なる黒いタートルに見えるが、実はそうとうに高いものなのだ。


台本を捨てる


基本的にメモは使わない。使うのは、デモのように何かを順番にしなければならない場合にとどめる。


どうしてもメモが必要なときは、1枚に3店から4点を大きなフォントで箇条書きにする。メモのカードはスライドごとに作成する。プレゼンテーションソフトのキーノートやパワーポイントに用意されたスピーカーノートを使う場合も、3点から4点の箇条書きにとどめる。ひとつに絞れればそのほうがよい。


スライドの映像をヒントとして、主なメッセージを1スライド1テーマという形で話してゆく。「1スライド1テーマ」。これが大事だ。


楽しむ


プレゼンテーションを「インフォテインメント」だと考える。聞き手は学びと娯楽、両方を求めている。自分も楽しもう。そうすれば端々に違いが生まれるだろう。


失敗してもあやまらないこと。問題に注目を集めてもいいことはない。うまくいかないことがあったら、さらっと認め、にっこり笑って次へ進もう。自分にしかわからないミスだと思ったら、そのまま触れずにおく。


プレゼンテーションに対する姿勢を変える。計画どおりにいかない事があっても、自分がプレゼンテーション全体を台無しにしない限り「失敗」ではない。全体を意識して、小さな事を気に病まない。そして自分も楽しむこと。