本が溢れてゐる。

 トランクルームを借りてそこに移せば、問題は解決する。

 しかし、それは問題の先送りに過ぎない。

 これまではそれで良かつた。読まずとも資料として本は有効であることを何度も体験してきたからだ。

 ところが、今回の引越しではこれまでの時とは異なる気持ちの変化があつた。

 それは、本を入れたダンボール箱を三段重ねるのが精一杯だつたことだ。筋肉の力の弱さを痛感させられたのだつた。これでは今後の引越しでは、本は極力減らさないとどうにもならないと思つた。

 独身時代は、カラーボックス10箱ぐらゐがせいぜいだつたらう。その時の読書が今の私を支へてゐることは間違ひない。さうであれば、その分量で事足りるのではないか。理性は今のところさう判断してゐる。もちろん、その理性は支配的にはなるまいが、さういふ割切りがこの際必要なのではないかといふ、もう一つ上の理性も援助してくれさうである。

 

 昨日は、転入届けを出して受理されるまで3時間弱、そのあと銀行3行に住所変更に行つて1.5時間。半日を費やしてしまつた。夕方からは知人に会ふ約束をしてゐたので、何もできなかつた。

 今日は、警察に行つて免許証の住所変更をし、夕方から家電製品の買取交渉。業者が来るまで整理をすることにしてゐる。

 

 物が溢れてゐる。

 トランクルームを借りてそこに移せば……といふ誘惑に負けさうである。私の理性よ、もう少し強くあつてくれ。