昨日の記事で紹介した例文から見てみましょう!

「必ずしも素直さが大切であると、言い切れないかといえば、決してそのようなことはない」

この例文の意味を簡潔に表すと「素直さは大切である」です。


ではなぜ?

伝えたい内容を率直に表現せず、

2回も打消し(否定)を使っているのでしょうか?



それは、

文末の表現を敢えて変えることで、

文章のニュアンス(微妙な意味の違い)を伝えたいからです。


こうした2重否定や3重否定を用いる目的は

”表現を柔らかくするため”あるいは”強調するため”

このいずれかです。



例えば、

「芸能界で彼女のことを知らない者はいない」


この例文では、

「知らない者はいない」=「皆が知っている」

という意味になります。



こちらは「皆が知っている」という主張を、

2重否定を用いることによって強調
させています。


必然的に表現を強調する部分が、

現代文読解のカギになることが多くなります。


ですから

「~だろう。」や「~でしょう。」

よりも

「~である。」や「~だ。」

のような強い言い切り表現、

そして、

「~だと考えている。」、「~と思う。」

といった個人的意見を述べるような表現にも注意しましょう!


では、もう1例いってみましょう!

「明後日のクリスマスは雪が降ると考えられなくもない」


この例文では

「雪が降るかもしれない」

という意味になりますね。

「雪が降る」というメッセージに、

2重否定をつけ加えることで表現を遠回しに柔らかくしています。


つまり、

「雪が降る可能性は高くないけど、ひょっとしたら降るかもしれない」

という意味になります。



このような文章の微妙な違いを正確に掴みとれる力は、

現代文を読み解くうえでの重要なポイントの1つです。


小~中学校と毎日の授業で学習されてきた方であれば、

こうした日本語の基本的文法やルールの学び直しは

2~3日程度で終えることができるでしょう。



基本的な文章の理解がおぼつかない状態で、

センターや2次試験レベルの参考書・過去問を解くのはナンセンスです!

あなたはこれまで、

文末表現の違いを完全スルーしていませんでしたか?;^^



文責:田中

~~~編集後記~~~
昨日、ボストンマラソンの会場で爆破テロ?があったようですね。

ところ変わって東アジアでは、北朝鮮と韓国との国境付近で米軍のヘリコプターが炎上墜落したようで。。

何か世界中がまた混沌としてきています。
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