
今のように中小企業が売上減少に悩み、どのように売上回復を果たすかを考えている時、佐原はリーマンショック後の状態をよく思い出したりしています。
平成21年から数年の時にも収益悪化に悩む中小企業が多く有り、そうした企業の経営改善の支援を私もよく金融機関と一緒になって周っていました。
そうした頃の印象に残った出来事や話の内容を振り返ることでそこにヒントがあったりするわけです。
ある時、売上減少に悩む運送会社の経営改善支援に行ったときのことです。
その運送会社は、長距離トラックを中心に30台程のトラックを運用していました。
愛知県産の農産物や魚介類を都市部に運送する仕事を担っていたわけですが、リーマンショック後の影響で運送する荷物が激減していました。
トラックは走らせていても「空気を運んでいる」状態でした。
そして帰りの便にも逆方向の荷物を運べれば良いのですがそうした仕事も得ることに苦労していました。
そうした状態で当時の社長もかなりお悩みの様子でした。
そこで佐原は次のような質問を投げかけました。
「社長、今の取引先や仕事はどのような経緯で得られているのですか?」
すると社長は、「そりゃあ、ウチの会社が長距離トラックを新しく走らせるときには、運行ルートをわかりやすく紙に書いて、それを取引につながりそうな会社を一軒一軒周って営業しながら説明していたんだよ・・・」
佐原「だったら、今からでもそういう営業をしてはいかがですか? 創業当時の売上ゼロから増やしてきた営業活動をもう一度思い出して地道な営業をしていってはいかがですか?」
財務力も資金力も潤沢にある会社であれば、ネット広告などの広告宣伝費を多く投入できます。
しかしリーマンショック後やそもそも財務体質が絞られた中小企業の場合には多くの広告宣伝費をかけるということはなかなか勇気が要りますし難しいものです。
であれば、創業当時、もしくは仕事を増やしていけた当時の地道な営業活動をもう一度思い出してコツコツ実行していくしかありません。
しかし、多くの中小企業経営者の心理としては、「今更そんな営業してもすぐに売上が増えるわけではあるまいし・・・」とか「今どきに営業して新規先の仕事が得られたとしても安く買いたたかれるだけだ・・・」というネガティブな考えが頭をよぎりがちです。
それを「傲慢」と言います。
つまり、おごり高ぶっている様のことです。
創業社長であれば、売上ゼロのなかから仕事を一つずつ見つけてきたはずです。
売上がゼロなのですから、単価が低かろうが、労多くして報われづらい仕事であろうが、自社に声をかけてくれるだけで「有難いことだ」と心の底から思ったのではないでしょうか。
仮にすぐに売上につながらなくても、裸一貫で何の信用も無い自分と「会ってくれるだけでも」、「話を聞いてくれるだけでも」、今日は良いご縁を頂いたと心の底から喜んでいたのではないでしょうか。
これらは佐原の安易な想像でもなんでもなく、実際に佐原自身が創業当時にも実感した実体験から出る素直な気持ちです。
ですから、いつの間にか商売が順調に進み、いつの間にか自分でも知らない間に「傲慢な自分」になっているのかもしれません。
コロナ禍の今は、そうした「傲慢な自分」を振り返るための良いチャンスなのでしょう。
そしてもし自分がそういう状態になっていることに気付いたとしたら、次にどんな行動をしていくかで自社の存亡が決まるような気がしています。
収益力強化、経営改善
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