
前回のこのブログでは、「経営改善のカギは単価引き上げ交渉にアリ」という題目で、中小企業が晒されている発注先からの単価引き下げとそれを飲まざるを得ない状況について軽く触れました。
今回は、単価引き上げ交渉を実際に進めるにあたって「絶対に必要なマインド」、心の持ち様についてお伝えします。
客先への単価引き上げ交渉を行ううえで「絶対に必要なマインド」。
これは何だと思われますか?
佐原がこれまで実際に関与した企業のなかで、価格引き上げ交渉が必要と判断される会社の社長と話し合いを進めていくと、だいたいこういう場面になります。
佐原「社長、これまで財務分析や経営改善策をいくつか立てて進めていくなかで、やっぱり主要取引先への単価引き上げは進めていかないといけませんね。」
社長「うぅ・・・・む・・・ 確かに、経費削減も生産現場の改善もこれまでに手を尽くしてきたし、いよいよ単価引き上げかなあ・・・ 」
いまいち歯切れが悪いのです。
続けて社長は、「でも・・・ もし客先企業のご機嫌を損ねたりしたら、今請けている仕事がライバル会社に流れてしまうかもしれないし・・・ 」
社長も、単価引き上げの必要性を理解している(つもり)でも、イマイチ実行に移す決断ができません。
そこで、佐原が提案することは、原価計算です。
実際に、不採算であろうと思われる製品を何点か選んで頂き、材料費や設備費、人件費などの原価を積み重ね、実際にいくらの原価がかかっているのかを明らかにしていきます。
社長たちも、大体の原価は把握している(つもり)なのですが、ここで意外に多いのが原価の計上モレです。
材料費や外注費などは原価に含めるとしても、人件費や間接費、減価償却費やリース料などの設備費用まで原価に織り込んでいないケースもあるのです。
設備費を含めなければ、今導入している設備の費用は賄えているとしても、将来投資の分までは利益や資金を確保できません。
そうしたモレのある経費を含めて原価計算をしていくと、社長達もどれだけの売価を設定しなければ会社が回っていかないか、ということをやっと本当の意味で理解してくれます。
原価だけではありません。
近い将来の人件費アップや必要な設備投資計画、借入返済に必要なキャッシュフローなども含めていくと、社長が考えている以上に単価を引き上げなければ、会社が近い将来に行き詰まっていくことに、やっと気づくのです。
大事なことを言います。
単価引き上げ交渉において、原価計算は「正確な原価を把握するため」だけに行なうのではなく、「自分を納得させるため」に行なうのです。
単価引き上げ交渉に向けた第一歩、つまり絶対に必要なマインドを築くには、「相手を納得させる」前に、「自分自身を納得させる」必要があるのです。
はじめは躊躇していたものの、ようやく自分自身を納得させられた社長達はこう言います。
「こんな単価じゃあ、とても仕事している意味がないわ! 今までウチは何をしてきたのか! 客先を食わすために仕事をしてきたわけじゃあないぞ!」
こうして自分自身を納得させられた社長達は、自信を持って単価引き上げ交渉に臨めるわけです。
自信と信念、正義感を伴った社長達の姿勢には、オーラが漲ります。
そうしたオーラが、相手に対する納得性や必要性とともに自信をもった交渉につながるわけです。
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