止まっているときは、そこまで気にならない。

 

それなのに、歩いている姿を撮られると、腹がはっきり出ている。

 

これは、歩くという動作に理由があります。

 

人は、体を前に倒して歩き出す

 

立った状態から歩き始めるとき、足が先に出ているように感じます。

 

実際には、その前に体が少し前へ傾いています。

 

倒れかけて、それを足で受け止める。その繰り返しが歩行です。

 

だから、歩いている間はずっと、体のどこかが前に出ています。

 

問題は、どこを前に出しているかです。

 

胸から前に出る人もいれば、腹から前に出る人もいます。

 

腹まわりに重さがあると、後者になりやすいです。

 

重い部分を前に預けたほうが、体が進むからです。

 

楽なほうへ落ち着いた結果として、腹が先頭になります。

 

この形になると、静止しているときとは見え方が変わります。

 

止まって立っているときは、頭も胸も腹も、だいたい同じ縦の線の上にあります。

 

歩き出した瞬間、腹だけがその線から前に出ます。

 

腹の量は変わっていません。

 

前に出た分だけ、輪郭として突き出しているだけです。

 

そして、歩いている間はこの状態が続きます。

 

止まって確認したときの見え方は、歩き出した時点で終わっています。

 

動くものは、目に留まる

 

もうひとつ、歩行中にだけ起きることがあります。

 

腹まわりは、骨に囲まれていません。

 

肩や胸は骨があるので、歩いても形が変わりません。

 

腹は違います。

 

一歩ごとに体は上下しますが、柔らかい部分はその動きにわずかに遅れます。

 

体が上がったあとに上がり、下りたあとに下りる。

 

結果として、腹だけが別の動きをすることになります。

 

ここが、見た目には効きます。

 

人の目は、動いているものに向きます。

 

止まっている腹は、輪郭のひとつでしかありません。

 

動いている腹は、そこだけが独立して動くので、視線を集めます。

 

写真では出ないのに、歩いているところを見られると印象が違う。

 

そういうことが起きるのは、写真が動きを写さないからです。

 

ついでに、服が後ろに流れる

 

服の側でも、歩くと変化があります。

 

前に進めば、風は後ろへ抜けます。

 

羽織っているものは後ろに流れ、シャツやTシャツは前面に張り付きます。

 

止まっているときは体から離れていた生地が、歩くと体に沿う。

 

離れていれば隠れていた輪郭が、そのまま出ます。

 

大きめの服で隠しているつもりでも、歩き出すと効かなくなることがあるのは、このためです。

 

上着の前を開けている場合も同じです。

 

前身頃が左右に流れるので、腹の前をふさぐものがなくなります。

 

横に並ぶと、この全部が見える

 

ここまでの三つは、どれも横から見たときにいちばん出ます。

 

そして、恋愛の場面で横から見られる時間は、意外と長いです。

 

  • 待ち合わせ場所へ歩いてくるところ。
  • 駅から店まで並んで歩くところ。
  • 店を探しながら移動するところ。
  • 食事のあと、駅まで戻るところ。

 

向かい合って座っている間は、腹は隠れています。

 

移動している時間のほうが、体型は見えています。

 

しかも、横に並んでいるときは、こちらは相手を見ていません。前を向いています。

 

見られていることに気づかない時間が、そのまま続きます。

 

今日は、一歩目だけ見る

 

いくつか書きましたが、順番があります。

 

最初にやるのは、歩き出す瞬間を見ることです。

 

立ち止まった状態から一歩踏み出すとき、最初に前へ出るのはどこか。

 

胸なのか、腹なのか。

 

手を胸と腹に一本ずつ当てて踏み出すと、分かりやすいです。

 

服や角度の話は、そのあとで構いません。

 

歩いているときに腹が目立つのは、歩くと太るからではありません。

 

体を前に倒して進む動作で、いちばん重い場所が先頭に立っているだけです。