増井信之税理士事務所公式ブログ

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何日か前に、ようやくマネーフォワードクラウド会計も仕訳帳に証憑添付機能を実装するようになりました。

中小企業向け会計ソフトで仕訳帳に証憑添付機能が実装されたのは、国内ではfreee会計に次いで2例目でしょうか。

実はマネーフォワードクラウド会計にも、これまでも仕訳帳入力に証憑添付機能が付いてはいたのですが、動作が不安定な上に添付後に検索することができなかったので、全く使い物になりませんでした。
今回、仕訳帳そのものに実装された証憑添付機能は、動作が安定している上に改正電子帳簿保存法の要件も満たしているので、本物です。

「口座」という独特の概念に基づき、あたかも竹を割るかのように複数の取引を時系列に沿って「一刀両断」していくイメージのfreee会計と、伝統的な簿記に基づき、時点ごとに取引をスライスしていく形で仕訳を起こすマネーフォワードクラウド会計の2つのクラウド会計ソフトの今後の動向から目が離せません。
日本の1人当たりのGDPは、2027年には韓国に、2028年には台湾に追い越されるそうです。

日経の記事によると、行政と民間企業のデジタル化の遅れが原因とのこと。

コロナ禍が始まってからは、行政のデジタル化は加速してきていますが、一部の旧態依然とした民間企業のデジタル化が遅れ気味に感じます。

一部の旧態依然とした民間企業の声に押される形で、電子取引のデジタル保存義務化に2年の猶予を認めてしまったことを考えると、韓国や台湾に追い抜かれるのは、もっと早いかもしれません。

このままで行くと、2030年代にはインドネシアやマレーシアなどの東南アジア諸国にも追い抜かれてしまうでしょう。

ボトムアップでの改革が望ましいとは思うのですが、(古くからの業界での慣行もあり)一部の旧態依然とした民間企業の自助努力に期待するのは難しいことを考えると、政治の力によるトップダウンで、紙の契約書の禁止、FAX廃止などの施策を打ち出してもらうしか日本が生き残る道はなさそうです。


1人あたり1年間にかかる食費はいくらか、幾つかのサイトで調べてみました。



年代や年収などの属性によって差はあるようですが、50万円~100万円程度らしいです。



ここで、かなり多目に見積もって1人で食費に年間108万円使っているとします。



軽減税率を廃止して、食料品の消費税率も10%にした場合、この人の食費は年間で2万円増えて110万円になります。



所得が少ない人にとっては、この2万円の負担増が大変だろうという配慮から10%と8%の複数税率制度が導入された訳ですが、10%と8%に区分して経理することの社会的コストの増加が日本の生産性に与える負の影響は決して軽く見ることはできないように思います。



軽減税率は廃止し、10%に一本化したうえで、例えば、前年の所得が100万円以下の人には2万円を給付、200万円以下の人には1万円を給付、300万円以下の人には5千円を給付するといった制度にした方が、格差是正の観点からも日本の生産性向上の観点からも、はるかに良いのではないかと思えてなりません。

1月1日から施行されることになっていた電子取引の紙保存禁止は、2年の猶予期間が設けられるようになったとのこと。
 
年内に省令を改正するらしい。
 
省令よりも上位にある電子帳簿保存法の条文は、
 
第七条 所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。
 
です。
 
この条文の中にある財務省令を改正することで2年の猶予期間を設けることになる訳だけれども、法律と乖離する省令を作らなければいけなくなった役人も心苦しいものがあるに違いない。
 
電子取引の紙保存禁止は猶予期間が設けられることになったが、スキャナ保存の要件緩和は予定通り実施して欲しいものです。
国がデジタルファーストを掲げているので、予定通り実施されるとは思いますが。
事前承認その他のハードルを一挙に取っ払ったスキャナ保存の要件緩和はフルに活用すべきですね。
サクッとスキャナ保存して、紙は捨てるなりテキトーに箱に詰め込んでおけばいいようになるのは、日本の生産性向上に寄与すること間違いなしですからね。
ホント無駄な作業は無くしていかないと、お先真っ暗ですよ。
それよりも何よりも、前世紀の遺物のような無駄な作業をさせられている人の人権保護の観点からも、スキャナ保存の要件大幅緩和は、遅きに失した感はありますが、歓迎すべきことです。
 
ところで、電子帳簿保存法という法律は、正式の名称ではありません。
正式には、「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」といいます。
これだと長すぎるから、省略して電子帳簿保存法になったのですが、この略称が誤解の元だと思うんですよ。
電子帳簿保存法、これだと電子帳簿の保存に関する法律のように受け取れるじゃないですか。
少なくとも私は、初めて電子帳簿保存法という法律を見たとき、そういうイメージを持ちました。
 
ところが、この電子帳簿保存法は、電子帳簿の保存だけでなく、電子取引とスキャナ保存を含む3つのカテゴリーからなる法律なんですよね。
電子帳簿、電子取引、スキャナ保存の3つの異なる事柄を対象としているのに、あたかも電子帳簿の保存についてのみ規定した法律であるかのような略称になっていることが、多くの人にとって分かりにくいものになってしまった原因ではないかと思います。
 
本来なら、電子帳簿保存法、電子取引法、スキャナ保存法と別々の法律にしてもよいくらいに取り扱いが違うものなのに、電子帳簿保存法という一つの法律で括ってしまったところに問題の根源があったのではなかったかと。
当初は別々の法律にしておいて、デジタル化が進展して行った先に1つの法律にまとめるべきものだったのではないかと思えてなりません。
せめて「電子帳簿等保存法」と「等」の字を入れておけば、少しは違ったかもしれません。
 
それはともかく、スキャナ保存の要件大幅緩和の恩恵は、年明けすぐに享受するようにしましょう。

電子取引の法律本来の規定による保存も、スキャナ保存と同様にすれば良いだけのことなので、1月1日から行っていきましょう。

顧問先様におかれましては、早め早めにクラウドストレージの共有フォルダに資料をアップロードさえしていただければ、弊所でスキャナ保存の要件と電子取引の保存の要件をともに充足する形で電子保存していきますので、ご安心いただければと思います。

 
今回、電子取引に対応できずに取引先に紙の請求書を送るようにしてくれと言った企業が相当数あったらしいですが、そうした企業がこれからますます加速していくデジタルトランスフォーメーションに適応できるのか甚だ疑問です。
環境の変化に適応できない種は滅んでいくのが生物界の法則ですが、企業についても当てはまるのではないでしょうか。
 
改正電子帳簿保存法の「電子取引」の取扱いに関する国税庁の補足説明。

この補足説明をもって、従来通り、紙保存が認められるようになったと思っている人が結構いるようだが、文末の「直ちに青色申告の承認が取り消されたり、金銭の支出がなかったものと判断されたりするものではありません。」に「直ちに」という断り書きがあることからすると、紙保存するのはやはり危険と見るべきだろう。
もし「直ちに」という文言がなければ、従来通り紙保存を認めたということになるが、そうではない。

「直ちに」があるかないかで、意味は180度変わるわけだけれども、そもそも国税庁が法律に反する指針を示すことはあり得ず、この補足説明をもって従来通り紙保存が認められたと思うのは、楽観的に過ぎる。

以下、国税庁HPより
【補足説明】
電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存義務に関する今般の改正を契機として、電子データの一部を保存せずに書面を保存していた場合には、その事実をもって青色申告の承認が取り消され、税務調査においても経費として認められないことになるのではないかとの問合せがあります。
これらの取扱いについては、従来と同様に、例えば、その取引が正しく記帳されて申告にも反映されており、保存すべき取引情報の内容が書面を含む電子データ以外から確認できるような場合には、それ以外の特段の事由が無いにも関わらず、直ちに青色申告の承認が取り消されたり、金銭の支出がなかったものと判断されたりするものではありません。