命の選別を年齢及び資産で行おうと試みたものが、小泉・竹中構造改革です。


これ以降は私の予想です。


最初の目的は医療費抑制。

まず医療費の総額ありきで、この総額内に抑えるためには、高齢者人口を減らす必要があると考えたのではないでしょうか。

おそらく線引きされた年齢は70~75歳あたりでしょう。

一般に特別重い病気でもなければ、みなさん60代ぐらいまでは仕事をしたいと考えている方が多いのではないでしょうか?


つまり60代ぐらいまでは、国にとって労働力として役に立ちますが、70歳を過ぎたころから医療費・介護費・年金などの支出が必要な一方税などの収入はほとんどなくなります。


70歳前後を過ぎた高齢者は死んでほしいというのが、国の本音であるように見えます。


予想ここまで。


実際に小泉内閣が行った医療費抑制政策は、

1.保険料の増加

2.窓口負担の増加

3.診療報酬の削減

いわゆる三方一両損です。


2006年の診療報酬改定で私が最も問題にしている「リハビリ日数制限」が行われました。

この日数制限は「長期間にわたる効果の明らかでないリハビリを減らし」「医療保険と介護保険の役割を明確にする」ことを表向きの理由としておりますが、現実は口減らしだったのです。


多くの人にとって、この「リハビリの日数制限」の問題は、「病院から出た後の介護施設が足りなくてリハビリ難民が沢山発生している」というとらえ方なのではないでしょうか?


下手くそな私の文章で書くより、著名な多田富雄氏の論文の一節を引用させていただきます。


『鶴見和子氏の場合、十一年前に脳出血で左半身マヒとなり、この間十年以上にわたってリハビリを続けてきたが、今年になり、「二箇所の整形外科病院から、いままで月二回受けていたリハビリをまず一回に制限され、その後は打ち切りになると宣言された。医師からはこの措置は小泉さんの政策ですと告げられた。その後間もなくベッドから起き上がれなくなってしまい。二ヶ月のうちに、前からあった大腸癌が悪化し、去る七月三〇日に他界された」』


『「直接の原因は癌であっても、リハビリ制限が死を早めたことは間違いない」』


『「これは費用を倹約することが目的ではなくて、老人は早く死ね、というのが主目標なのではないだろうか。(中略)この老人医療改訂は、老人に対する死刑宣告のようなものだと私は考えている」』


(以上引用終わり)

[おそらくこれらは何らかの雑誌等に掲載されたものと思われますが、わかりませんでした。関係者の方申し訳ございません]


この多田氏の「老人は早く死ね、というのが主目標なのではないだろうか」は、おそらく正しい。

リハビリというのは、やれば必ず効果はあり、効果が明らかでないリハビリはそもそもあり得ません。

ただし現状維持が精一杯という場合もあれば、リハビリを続けても悪化するのを減速させるだけという場合もあるというだけです。


一般に働き盛りの若者であればリハビリの効果は高く、高齢になればなるほど、一見リハビリの効果は上がっていないように見えてしまいます。

しかも高齢者にとってリハビリを取り上げられることは、直接死につながります。


つまり日数を制限するということはある年齢で命の線引きをし、それ以上の高齢者は弱っていき死んでくださいと言っているようなものなのです。


ただし、自費でリハビリをお願いすることはできるようです。


命の線引きは年齢と資産で行われるようになっているのです。

災害時のトリアージはやむを得ませんが、このトリアージはやむを得ないとは思えません。



以前、少し触れましたが、私は個人的事情により頻繁に病院に出入りしております。

医療介護従事者ではないのでそのすべてがわかっているわけではありませんが、リハビリの日数制限の被害者になった高齢者の方を幾人も見てきました。


しかし、これらの方がお亡くなりになったとしても「リハビリ制限死」などという死因になるはずはなく、単なる病死で処理されます。

正確な死者数は出てこないでしょう。

私の周りだけでも複数名の被害者がいるわけですからこの3年全国では数千~数万の被害が出ているのではないでしょうか?


短く3つ(1本はやや長い) 』 という記事を書いたとき「自民党に抱いている感情は「不信」ではなく「恨み」や「憎悪」。」と書きましたが、これはご遺族の方々の代弁です。


また『支持率貧すれば鈍する 』という記事にリハビリの日数制限を「姥捨」と書いたのは、このような事実を見てきたからです。

長くなりましたので詳細は割愛しますが、2000年(回復期リハビリ病棟の設置など)から2006年までの診療報酬改定は、要約すると高齢者を年齢で線引きし、それ以上の年齢の方は死んでくださいというものでした。

そして後期高齢者医療制度でその年齢が75歳前後であるということが明らかにされたのです。


毎年2200億の社会保障費抑制を行おうとすれば75歳以上はいない方がいいということなのではないかと推測しております。


2000年改定についても言いたいことはありますが、気が向いたらまた後日。


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確かに小泉元総理は「三方一両損」と言っており、その当時から間違いなく「三方とは患者、保険加入者、医療機関」を指しておりました。

厚労省の無駄のことではありません。

「2200億の抑制をする」とは患者が「金か命の負担」をすること。

これを小泉・竹中構造改革は求めていたのです。


以前何の番組か忘れましたが、テレビで大村秀章厚労副大臣が「医療費は減らしていない増えている。」と言っておりましたが、この発言は看過できない。

医療費の増加は、医療が必要な者の増加によるものであり、その自然増加分を削減すれば、一人当たりの医療費が減少していることは自明です。