想いの道 ~会長の独り言~ -236ページ目

『日本の使命』

 季節の移ろいは早いもので、この間新年の挨拶を交わしたと思っていたら、もう梅の開花便りがちらほらと聞こえてくるようになりました。毎回同じ思いを持つのだが、「想いの道」の原稿を月々重ねていくことは本当に大変なことです。今月は皆さんに何をお伝えしようかと毎回思い悩みます。

 さて、今月は新年号の補足をしてまいります。ちょっとわかりにくいかもしれませんが我慢してご一読ください。

 年頭の所感で現在は世紀の変わり目、大きな時代の過渡期と言うことを述べました。そのことについてもっと詳しく述べてみます。今から述べることは、芳村思風先生の「二十一世紀 日本の使命」を参考に致しました。

 現在は三つの大きな時代の流れの転換期が重なり合った歴史上稀な時です。

 まず第1に近代が終わり脱近代というか、新しい価値観が生まれてくる数百年単位の変化の時期です。それを政治、経済、社会、文化、文明の視点でとらえると(一)政党政治から脱政党政治へ、(二)資本主義経済から脱資本主義というか人格主義経済へ、(三)民主主義社会から脱民主主義社会へ、(四)理性文化から脱理性(感性)文化へ、(五)物質文明から脱物質(精神)文明へ移行していく時期です。

 第2に数万年、数十万年単位の変化の現象から見ていくと(一)地球時代から宇宙時代へ、(二)リーダーシップからパートナーシップ(フレンドシップ、フェローシップ)へ、(三)競争から創造(弱肉強食の原理から適者生存の原理)へ変化していく時期です。

 第3は数千年単位の変化です。それは(一)理性原理から感性原理へ、(二)地域文明から世界文明へ、(三)二元論的人間観から一元論的人間観へと変わっていきます。これらの一つ一つを説明するには紙数がありません。おいおい説明してまいりますが、今これらの変化がさまざまに絡み合って、一挙に現れているのです。現在が激動期と言われるのはそのためです。変わっていく、変化するということは、目まぐるしいほどのチャンスが我々のまえに繰り広げられることになります。私達にも大きなチャンスに遭遇することになります。今こそ自分の出番だという気構えを持って過ごしましょう。しかし、じっと待っていればチャンスは向こうからやってくると思ってはなりません。すべてのものは変わっていくということを意識して、自分がその変化に関わっていく。変化を推し進めていく。そういう生き方がこの激動の時代のものと言えるでしょう。

 古代から中世への橋渡し役のギリシャ、ローマ時代、中世から近代への橋渡し役のルネッサンス期、そして現在という3度目の過度期。そこで我が国には2つの役目が課せられています。先ず第1に、古い文明を質において完成させ終わらせる事。2番目に新しい時代に向けて時代の原理を作り発信する事。第1の役目は、全産業のリサイクルシステムの完成。環境を破壊しない、守る、補修する廃棄物ゼロの技術と核廃棄物の処理技術の完成。第2に近代から脱近代化の5つのテーマ(政治、経済、社会、文化、文明)の確立。このことが達成された暁に、はじめてアジアの時代が来たと言えるでしょう。私たちの命、地球の命、そして大宇宙の命。これは我々の理性を超えた存在。これらを永遠ならしめるために、我が国の存在があり役目があるのです。がんばろう日本!!