2026年4月1日付で、毎日新聞が、

『国内唯一の公的断食道場が閉鎖 44年で2万3000人受け入れ』

と題した記事を報じていました。

以下に、この記事を要約し、公的断食道場が果たした役割と閉鎖の要因、閉鎖後の影響などについて考察しました。

 

《記事の要約》

絶食療法を通じて健康づくりを支援してきた国内唯一の公的施設「五色県民健康村健康道場」(兵庫県洲本市)が、2026年3月31日をもって廃止された。

施設の老朽化や利用者減少などを理由に、兵庫県と洲本市、運営する外郭団体が総合的に判断した。

 

同施設は1982年に開設され、医師の管理のもと断食を行う滞在型施設として、肥満や高血圧の改善に加え、自律神経の乱れやストレス性の不調にも対応してきた。

これまでに約2万3000人が利用し、健康増進の拠点として一定の役割を果たしてきた。

 

利用者は数日から数週間滞在し、基本的に低カロリーの特製ジュースと水のみで過ごす。

復食期にはおかゆが提供され、呼吸法や読書など静かな生活を通じて心身の回復を図る仕組みだ。

こうしたプログラムは、単なるダイエットではなく、生活習慣の見直しや精神面の安定を重視していた点に特徴がある。

 

しかし近年は、新型コロナウイルスの影響もあり利用者数がピーク時の半分程度に減少。

加えて、築40年以上の施設は耐震基準を満たしておらず、改修には多額の費用が必要とされた。

また、県民運動としての健康づくりという当初の目的は一定程度達成されたと評価されたことも、廃止の判断を後押しした。

 

長年道場長を務めた医師は「事故なく運営できたことに安堵している」と振り返る一方、心身の不調に悩む人々への支援の必要性は今後も高まると指摘する。

今後は自身の知見をオンライン講座などで発信し、健康医学の普及に取り組む意向だ。

(要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

公的断食道場が果たしてきた役割は、単なる健康施設にとどまらず、「心身一体の回復」を実践する社会的インフラであった点にある。

現代社会では、過食や運動不足といった身体的問題だけでなく、ストレスや孤立といった精神的課題が健康に大きく影響する。

道場は断食という手法を通じて、生活習慣のリセットと内省の時間を提供し、心身双方の再構築を支援してきた。

 

実際、利用者の声からも、体調改善だけでなく精神的な安定や価値観の変化を実感するケースが多いことがうかがえる。

自然環境の中で静かに過ごすこと、規則正しい生活、医師の管理下での安全な断食といった要素が組み合わさり、日常生活では得難い回復効果を生んでいた。

これは、単独での自己流断食とは本質的に異なる価値であり、公的施設としての信頼性も大きな強みであった。

 

一方で、閉鎖に至った要因は複合的である。

最大の要因は利用者減少と施設老朽化であり、特にコロナ禍以降の需要回復の遅れは致命的だった。

また、健康志向の多様化により、ジムやサプリメント、オンライン健康指導など代替手段が増えたことも影響している。

さらに、公的事業としての費用対効果が厳しく問われる中、巨額の改修投資を正当化することは困難だった。

 

閉鎖後の影響として懸念されるのは、「公的に安全管理された断食環境」の喪失である。

民間の断食施設や自己流の断食は増えているが、医学的管理が不十分な場合、健康リスクを伴う可能性もある。

また、孤立や不登校、メンタル不調といった社会課題に対する受け皿が一つ失われたことも見逃せない。

 

今後は、こうした機能をどのように代替・継承するかが課題となる。オンライン講座や地域医療との連携、短期滞在型のリトリート施設など、新たな形での展開が求められるだろう。

重要なのは「断食」という手段ではなく、その背後にある生活改善と心身統合の思想であり、それを現代社会に適合させる再設計が必要である。

ここにこそ、ISO思考でいう「目的と手段の分離」と「持続可能な仕組み化」の視点が求められる。
 

 

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