<水の回収、処理及び供給業における環境パフォーマンスとは>

水の回収、処理及び供給業における環境パフォーマンスとは、河川、湖沼、地下水などからの取水、原水の浄化、消毒、貯水、配水及び給水に至る事業活動について、環境への影響を把握し、その管理及び改善の成果を測定、評価することである。

ISO14001では、環境パフォーマンスは環境側面のマネジメントに関連する測定可能な結果と定義される。

 

本業種では、取水による水資源への影響、浄水処理に伴う電力や薬品の使用、浄水汚泥の発生、配水管からの漏水などが重要な環境側面となる。

また、安全で良質な水を安定供給することが社会的使命であり、水質の確保と環境負荷の低減を両立させる必要がある。

 

《環境パフォーマンスの具体例》

1)水資源の有効利用

取水量、配水量、有効率、漏水率などが代表的な指標となる。

特に漏水の削減は、水資源だけでなく、取水、浄水、送配水に必要なエネルギーの削減にもつながる。

 

2)エネルギー使用量及び温室効果ガス排出量の削減

取水ポンプ、送水ポンプ、浄水設備などでは電力を使用するため、給水量1立方メートル当たりの電力使用量、CO2排出量などが指標となる。

 

3)浄水処理薬品の適正使用

凝集剤、消毒剤、pH調整剤などについて、処理水量当たりの薬品使用量、薬品漏えい件数などが環境パフォーマンスとなる。

 

4)浄水汚泥及び廃棄物の削減

沈殿池やろ過設備などから発生する汚泥について、汚泥発生量、再資源化率、最終処分量などを評価する。

 

5)排水及び水環境への影響低減

ろ過池洗浄排水などについて、排水量、濁度、浮遊物質量、残留塩素などを必要に応じて管理する。

 

6)水源環境の保全

取水が河川流量や地下水位などに与える影響を考慮し、取水条件の遵守状況、水源水質の変化などを把握することが重要である。

 

《環境パフォーマンスの取組み方》

1)水資源管理

水資源管理では、配水管の漏水調査、老朽管の計画的更新、配水圧力の適正化などを進める。漏水箇所を早期発見して修復することで、無駄な取水や浄水処理を削減できる。

 

2)エネルギー管理

エネルギー管理では、高効率ポンプの導入、インバーター制御、ポンプ運転の最適化などを実施する。

また、設備ごとの電力使用量を把握し、給水量当たりのエネルギー原単位を継続的に改善する。

 

3)薬品管理

薬品管理では、原水水質に応じて凝集剤や消毒剤の注入量を適正化する。

薬品の削減を優先するあまり水質を悪化させないよう、水質基準の確保を前提として管理する。薬品保管設備の点検や漏えい防止対策も重要である。

 

4)汚泥管理

汚泥管理では、脱水設備の効率改善によって汚泥の含水率を低減し、運搬量や処分量を削減する。

また、品質や法令上の条件を満たす場合には、建設資材などへの再資源化を検討する。

 

5)排水管理

排水管理では、ろ過池洗浄排水などの回収、再利用を検討し、必要な処理を行った上で適切に排出する。

排水の水質を継続的に監視することも重要である。

 

6)水資源環境の保全

水源環境の保全では、関係機関と連携した水質監視、流域の環境保全活動、地下水の適正利用などを進める。

渇水、豪雨、水源汚染などの緊急事態を想定した対応計画の整備も必要である。

 

<結論>

水の回収、処理及び供給業における環境パフォーマンスとは、水資源の有効利用、エネルギー使用量の削減、浄水処理薬品の適正管理、汚泥の再資源化、排水管理及び水源環境の保全などについて、その改善成果を定量的に評価することである。

 

特に重要なのは、「安全で良質な水を安定的に供給すること」と「水資源及び環境への負荷を低減すること」を両立させる視点である。

 

ISO14001に基づき、漏水率、給水量当たりの電力使用量、薬品使用原単位、汚泥再資源化率、環境事故件数などを継続的に監視し、改善につなげることが有効である。

 

また、気候変動による渇水、豪雨、原水水質の変動などを考慮し、施設の強靱化や水源の適切な管理を進めることも重要となる。

 

この業種の環境マネジメントでは、取水、浄水、送配水、給水までの水供給システム全体を最適化することが、環境パフォーマンス向上の核心である。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ1034号より)

 

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