2026年10月27日付の北海道放送が、

『憤る店主「工事業者に賠償を求めたい」歩道舗装工事のバーナーの火が燃え移り書店火災か 実況見分で可能性高まる 札幌市中央区』

と題した見出し記事を報じていました。

 

以下に、この記事を要約し、予想される被害者(書店)の影響と現実、および、想定される歩道舗装工事会社の緊急事態想定の不備と再発防止策、発注者やISO認証機関が取るべき対応について、考察しました。

(筆者注:報道では発注者と舗装工事の施工会社は公表されていないため、舗装工事の施工会社(K社と仮定)がISOを取得していると仮定した場合で考察する。なお、火災現場から、おそらく工事の発注者は札幌市(建設局)で、工事は「南17条中央線(西10丁目線~西9丁目線間)道路整備工事」と思われる。)

 

《記事の要約》

<札幌の書店兼住宅火災、道路工事のバーナーが原因か 店主は営業再開と補償に不安>

札幌市中央区で、2026年10月26日、書店兼住宅が焼けた火災について、店舗前で行われていた道路舗装工事のバーナーの火が建物に燃え移った可能性が高いことが分かった。

警察と消防は、10月27日、現場で実況見分を行い、出火原因を詳しく調べている。

 

火災が発生したのは、10月26日午後5時前。現場は札幌市中央区南17条西9丁目の書店兼住宅で、消防車など11台が出動した。

火は約2時間半後に消し止められたが、建物の入口や壁、内部などが焼け、天井の一部が落ちて木造の骨組みが露出する被害が出た。

 

札幌市によると、現場では市が発注した「南17条中央線(西10丁目線~西9丁目線間)道路整備工事」が行われていた。

作業員が舗装材をバーナーで加熱していた際、何らかの原因で建物に引火した可能性があるという。

 

工事関係者からは「工事の火花が建物に燃え移った」との趣旨の通報があった。

警察と消防は、火気の使用状況、建物との距離、防火措置、消火設備の配置などを調べ、施工会社の関係者からも事情を聴いている。

 

被害を受けた書店の店主は、工事について以前から不安を感じていたと説明。

「店を修理するにせよ、建て直すにせよ、工事業者に賠償を求めたい」と語り、今後の生活と営業再開への不安を訴えた。

 

書店は建物だけでなく、販売する書籍や什器、営業基盤も被害を受けた可能性がある。

損害の全容や復旧に必要な費用は、今後の調査を待つ必要がある。

 

札幌市は原因を調査し、再発防止を図るとしている。

公共工事の安全管理とともに、被害者への迅速な説明、生活支援、営業再建への対応が問われている。

(要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

<工事の火が書店を奪う――問われる被害補償とISO認証の実効性>

札幌市中央区で、道路舗装工事中のバーナーが原因とみられる火災が発生し、書店兼住宅が焼けた。

札幌市発注の公共工事で起きた可能性が高い事故だけに、施工会社の安全管理と発注者の対応が問われる。

 

まず考えたいのは、被害を受けた書店の現実だ。

建物の修繕費だけでなく、焼失・水損した書籍、什器、休業中の利益、仮店舗の費用、住居の確保など、損害は多方面に及ぶ。

長年営業してきた店であれば、顧客とのつながりや地域の文化的拠点としての価値も失われかねない。

 

賠償については、施工会社の過失や因果関係、損害額を確認する必要がある。

建物が古い場合、再建費用の全額が当然に認められるとは限らない。

一方、賠償額が必ず建物の時価だけに限定されるわけでもない。

修理の合理性、営業損害、代替費用などを個別に検討すべきだ。

 

では、施工会社K社がISO認証を取得していたと仮定すると、何が問題となるのか。

 

考えられるのは、火気使用作業の危険性評価が不十分だったことだ。

木造建物に接する歩道でバーナーを使えば、火炎や熱が外壁、軒下、隙間などに及ぶ危険がある。

可燃物の確認、防炎シートによる養生、消火器の配置、火気監視員の配置、作業中止基準などが適切だったかを検証する必要がある。

 

また、火災を緊急事態として想定していたとしても、実際の消火・通報・避難訓練が十分でなければ意味がない。

ISO 14001の8.2やISO 45001の8.2では、緊急事態への準備と対応が重要な要求事項となる。

ISO 9001でも、施工条件の管理や不適合への対応が問われる。

 

再発防止には、建物に近接した火気作業の原則禁止や代替工法の検討、着工前の現地リスク評価、火気使用許可制、作業前後の点検、緊急時の役割分担を組み合わせたい。

作業員任せではなく、現場代理人が実施状況を確認する仕組みが必要だ。

 

発注者である札幌市には、事故原因の調査だけでなく、工事計画や安全管理書類の確認、同種工事への水平展開、被害者への説明と相談窓口の設置が求められる。

法的な賠償責任の所在とは別に、公共工事の発注者として被害者を孤立させない対応が重要である。

 

さらに、K社がISO認証企業なら、認証機関も事故を看過できない。

重大事故に関する情報を収集し、臨時審査の必要性を判断したうえで、リスク評価、緊急事態対応、是正処置の有効性を検証すべきだ。

ただし、事故が発生したという事実だけで、直ちに認証取消しとなるわけではない。

 

ISO思考とは、手順書や認証証を持つことではない。危険を予測し、事故を防ぎ、万一発生した場合には被害を最小限に抑える仕組みを機能させることである。

 

公共工事の品質は、道路が完成したかだけで測れない。周辺住民の命、財産、暮らしを守って初めて、良い工事といえる。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ1035号より)
 

 

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