2026年11月3日の読売テレビ「ニュースto」が、
『親の“老い逃げ”は許さない?相談が急増している『家族じまい』の実態と壮絶な背景とは』
と題した見出し記事を報じていました。(※放送は2026年10月22日)
以下に、この報道を要約し、この「新しい家族の形」と今後の日本における影響(現状との変化)について考察しました。
《報道の概要》
<親子の関係を断つ「家族じまい」相談が急増 20~30代にも広がる家族の新たな距離感>
親や親族との関係を断ち、介護や老後の世話から距離を置く「家族じまい」の相談が増えている。
以前は高齢の親を持つ中高年が中心だったが、最近では20~30代からの相談も目立ち、家族の在り方に変化が生じている。
「家族じまい」を選んだ60代の男性は、幼い頃に父親を亡くし、母親に育てられた。結婚後は妻や子ども3人、母親と同居していたが、嫁姑問題が深刻化し、母親とは別居することになった。
その後も男性は母親を気遣い、月に数回訪問していた。
しかし母親は、男性の長男について「妻の浮気相手の子どもだ」と繰り返し主張。親子関係を証明する検査結果も受け入れず、妻との離婚か、養育費として6000万円の支払いを要求したという。
男性は最終的に離婚し、母親の支援を続けたものの、精神的な負担に耐えられなくなり、転居先を知らせず連絡を断った。
現在は決断を肯定的に受け止めており、元妻とは2027年に再婚する予定だという。
家族関係の相談に応じる一般社団法人LMNによると、相談件数は2022年1~3月の55件から、2026年同期には320件と約6倍に増えた。
このうち約8割が「家族じまい」に関する相談で、20~30代が全体の約4割を占めるという。
若い世代では、親からの暴言や過干渉、虐待などを背景に、将来の介護負担を避けたいという相談が増えている。
同法人は、親族に代わって高齢者の生活支援や介護関連の手続き、看取り、葬儀などを支援する有料サービスも提供している。
登録料は55万円で、生活支援は1回1万1000円からとなる。
血縁関係を重視してきた日本社会で、家族との距離を見直す動きが広がっている。
ただし、交流を断っても法律上の親子関係や扶養義務が当然になくなるわけではない。
家族の問題を個人だけで抱え込まないための支援体制も問われている。
(要約、ここまで)
《筆者の考察》
<「家族だから面倒を見る」は限界か――家族じまいが変える日本の未来>
親子の関係を断つ「家族じまい」の相談が増えている。
背景には、親からの過干渉や暴言、虐待、介護負担など、長年にわたる家族関係の問題がある。
かつて日本では、親の老後は子どもが支え、介護や看取りも家族が担うという考え方が根強かった。
しかし、少子高齢化、単身世帯の増加、価値観の多様化によって、その前提が変わりつつある。
国立社会保障・人口問題研究所の推計では、単身世帯の割合は2020年の38.0%から2050年には44.3%に上昇する。家族の人数が減り、離れて暮らす人が増える中で、血縁だけに介護を依存する仕組みには限界がある。
今回の報道で注目すべきなのは、20~30代からの相談が増えていることだ。
親が高齢になってからではなく、自分の人生や将来の介護負担を考え、早い段階で関係を整理しようとする動きが見られる。
こうした変化には、三つの側面がある。
1)家族関係の選択肢が広がる
親子であっても、暴言や支配的な言動に耐え続ける必要はない。
連絡頻度を減らす、別居する、第三者を介して必要な連絡だけを行うなど、完全な絶縁以外にも距離の取り方はある。
2)介護の社会化
これまで家族が無償で担ってきた見守り、生活支援、施設入所の手続き、看取り、葬儀などを、公的制度や民間サービスが補う機会は増えるだろう。
ただし、有料の家族代行サービスには費用負担や契約上のリスクがある。
預託金の管理、サービスの履行、事業者の廃業時の対応などを確認しなければならない。
行政には、利用者を保護する制度の充実が求められる。
3)老後の自己責任と社会保障の関係が変わる
親自身が老後資金や住まい、介護の希望を準備することは重要だが、経済的に十分な備えができない人もいる。
子どもに依存しない老後を実現するには、地域包括支援センターや介護保険制度など、社会全体で支える仕組みが欠かせない。
一方、「家族じまい」は法律上の親子関係を解消する制度ではない。
民法上の扶養義務や相続関係が当然に消滅するわけではなく、具体的な義務の範囲は個別事情に応じて判断される。
また、相談件数の増加だけで、日本全体で親子の絶縁が急増していると断定することもできない。
今後の日本では、家族を「血縁だから無条件に支える関係」から、「互いの尊厳と意思を尊重し、必要な支援を社会とも分担する関係」へと見直す動きが進むだろう。
ISO思考でいえば、家族だけに依存してきた介護の仕組みを見直し、将来のリスクを予測して、本人、家族、地域、行政が役割を分担することが重要になる。
家族の絆は、義務や我慢だけでは守れない。無理に一緒にいることより、互いの人生を尊重できる距離を見つけることが、これからの家族の新しい形ではないだろうか。
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