2026年10月20日付の「THE ANSWER」が、

『ついに終わった「史上最悪の契約」 388億円も実働たったの22.6%…大谷元同僚の7年に反響』

と題した見出し記事を報じていました。

 

以下に、この記事を要約し、メジャーリーガーの長期契約におけるメリットデメリットと“第2のレンドン”を生まないための契約方法について、考察しました。

 

《記事の要約》

<7年総額2億4500万ドルの大型契約が終了 レンドン、故障続きで期待に応えられず>

米大リーグのエンゼルスとアンソニー・レンドン内野手(36)が結んだ7年総額2億4500万ドル(約388億円)の大型契約が、2026年シーズンをもって終了した。
度重なる故障で出場機会が限られ、米国では「史上最悪の契約の一つ」との厳しい評価も出ている。

 

レンドンはナショナルズ時代の2019年に打点王を獲得し、ワールドシリーズ制覇にも貢献。同年オフにフリーエージェント(FA)となり、2020年からの7年契約でエンゼルスに加入した。

 

しかし、移籍後は故障が相次いだ。

2020年は新型コロナウイルスの影響による短縮シーズンで52試合に出場したものの、翌年以降は毎年のように長期離脱。
2024年までの5年間で出場は257試合、通算22本塁打、125打点にとどまった。

 

2025年は左股関節の手術で全休。2026年も復帰せず、2年連続で公式戦出場がなかった。

7年間の出場率は、チームの試合数を基準にすると約25%だった。

 

球団は2026年1月、最終年の年俸3800万ドルについて、支払いを複数年に分散する契約変更に合意したと説明。

選手が試合に出場しなくても、球団には多額の支払い義務が残ることになった。

 

エンゼルスは今季62勝100敗でア・リーグ西地区最下位。12年連続でポストシーズン進出を逃した。

 

高額契約は、主力選手を長期間確保できる一方、故障や成績低下によって球団経営を圧迫する危険性がある。

今回の事例は、過去の実績だけでなく、年齢や健康状態、契約条件を含めた慎重な投資判断の必要性を浮き彫りにした。

(要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

<388億円の契約はなぜ失敗したのか――「第2のレンドン」を防ぐ球団経営>

7年総額2億4500万ドル。エンゼルスがアンソニー・レンドンと結んだ大型契約は、球団経営における長期投資の難しさを象徴する事例となった。

 

レンドンは2019年、ナショナルズの世界一に貢献した一流選手だった。

当時の実績を考えれば、高額契約には相応の理由があった。

しかし、移籍後は故障が相次ぎ、7年間の出場率は約25%。期待された戦力を確保できなかった。

 

長期契約のメリットは、優秀な選手を安定的に確保できることだ。

選手は将来の収入が保証され、球団は毎年の契約交渉を避けながら、長期的なチーム編成や商品価値の向上を図れる。

スター選手の存在は、入場料収入やスポンサー獲得にも寄与する。

 

一方、最大のデメリットは、故障や加齢による成績低下のリスクを球団が長期間負うことだ。

MLBのベテラン選手の大型契約は原則として年俸が保証されるため、故障による欠場だけを理由に支払いを停止することは難しい。

 

では、「第2のレンドン」を防ぐにはどうすればよいのか。

 

1)契約期間の適正化
30歳前後の選手に7年、10年という契約を提示する場合、後半の成績低下を織り込む必要がある。
年俸を高めに設定して契約期間を3~5年程度に抑える方法も選択肢となる。

 

2)保証年俸と出来高払いの組み合わせ
一定額の年俸を保証し、打席数や登板数などに応じて追加報酬を支払う。
MLBでは安打数や本塁打数などの成績そのものに連動する出来高は認められていないため、労使協定に沿った設計が不可欠だ。

 

3)契約前の多面的な評価
過去の成績だけでなく、故障歴、身体機能、年齢による衰え、練習への取り組み、チームへの適応性などを確認する。
ただし、選手の人格や意欲を憶測だけで評価してはならない。

 

4)リスク分散
特定選手に予算を集中させず、若手育成、控え選手の確保、医療・リハビリ体制への投資を組み合わせる。
巨額契約が失敗しても、チーム全体が機能する仕組みが必要である。

 

また、契約に球団側のオプションを設ける方法もある。
ただし、選手側が受け入れるとは限らず、その代償として保証額の増額を求められる可能性もある。

 

ISO思考で考えれば、大型契約は単なる選手獲得ではなく、数年間にわたる経営リスクを伴う投資判断だ。
契約前のリスク評価、契約中の健康管理と戦力評価、想定外の事態への対応策を一体的に設計しなければならない。

 

レンドンの失敗から学ぶべきなのは、高額契約を避けることではない。
成功した場合の利益だけでなく、失敗した場合の損失まで見積もり、球団が耐えられる契約を結ぶことである。
 

 

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