2026年10月18日付の「THE ANSWER」が、

『暑さ原因か、女子駅伝でアクシデント続出 スタート時間に疑問の声「変更した方が…」 午後0時10分号砲』

と題した記事を報じていました。

 

女子駅伝の事業団チームで競う「プリンセス駅伝」は、実業団日本一を決める「クイーンズ駅伝」の予選会です。

クイーンズ駅伝は、前年度のクイーンズ駅伝上位8チームがシードされ、予選会(プリンセス駅伝)の上位16チームの24チームが本戦(クイーンズ駅伝)に出場できます。

 

プロンセス駅伝では、過去にも、熱中症や脱水症状で、襷(タスキ)がつなげなかったケースがありますが、近年は、特に気温が高いので、プリンセス駅伝の前日に開催された箱根駅伝の予選会や1週前に開催された出雲駅伝のように、スタート時刻を比較的気温の低い午前中にするなど暑熱対策が行われています。

 

以下に、この記事を要約し、今後のプリンセス駅伝の運営について改善すべき点や今回、初優勝したルートインホテルズ(※多くの選手が、高校時代は花形選手ではない)の勝利のポイントについて、考察しました。

 

《記事の要約》

<プリンセス駅伝、ルートインホテルズ初優勝 気温28度で相次ぐ棄権、安全対策に課題>

全日本実業団対抗女子駅伝の予選会「プリンセス駅伝」が10月18日、福岡県宗像市・福津市で開催され、ルートインホテルズが2時間18分48秒で初優勝を飾った。

一方、季節外れの暑さで選手の途中棄権が相次ぎ、大会運営の見直しを求める声が上がっている。

 

レースは宗像ユリックスを発着点とする6区間42.195キロで行われ、30チームが出場。午後0時10分のスタート時、気温は28度に達していた。

 

1区では肥後銀行の塚本真夕選手が走行中にふらつき、縁石付近で転倒。そのまま動けなくなり、途中棄権した。

5区でも野村優花選手が棄権したほか、タスキを渡した直後に倒れ込む選手も見られた。

暑さによる影響が懸念されるが、個々の体調不良の原因は明らかになっていない。

 

こうした状況を受け、SNSでは「スタート時間を早朝に変更すべきだ」「10月でも暑さを前提に運営してほしい」との意見が相次いだ。

 

他大会では既に対策が進む。箱根駅伝予選会は2025年から午前8時30分に、出雲全日本大学選抜駅伝も2026年から午前9時10分にスタートを繰り上げた。

 

優勝したルートインホテルズは、1区8位から徐々に順位を上げ、3区の堀尾和帆選手が5人抜きで2位に浮上。

5区の藤田正由加選手が首位を奪い、最終6区の保科琴音選手が逃げ切った。2位ダイハツとの差はわずか7秒だった。

 

上位16チームは11月22日に宮城県で行われるクイーンズ駅伝への出場権を獲得した。

 

選手の健闘が光った一方、猛暑が珍しくなくなった秋の長距離大会で、安全をどう確保するか。主催者には科学的な暑熱対策と柔軟な運営が求められている。

(要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

<タスキより命、スターより育成――プリンセス駅伝が示した二つの課題>

2026年のプリンセス駅伝は、ルートインホテルズの初優勝という歓喜と、選手の途中棄権が相次ぐ厳しい現実を同時に映し出した。

今後の大会運営と実業団チームの在り方を考える上で、重要な教訓を残した大会だった。

 

第一の課題は、選手の安全確保である。

スタート時の気温は28度。10月中旬とはいえ、長距離走には厳しい環境だった。

日本スポーツ協会の指針では、暑さ指数(WBGT)が28以上の場合、激しい運動や持久走を避け、31以上では運動を原則中止としている。

なお、気温28度とWBGT28は異なるため、当日の暑さ指数を確認せずに大会運営の適否を断定することはできない。

 

改善すべきは、まずスタート時刻だ。

午前中への前倒しを基本に検討し、交通規制やテレビ中継も選手の安全を優先して調整すべきだろう。

さらに、コース各地点のWBGTを測定し、延期・中止を含む判断基準を事前に公表する必要がある。

 

第二は、救護体制と棄権判断の明確化だ。

ふらつきや意識障害が疑われる選手には、医療スタッフが迅速に対応できる体制を整える。

タスキをつなぎたいという選手の思いや企業の期待が、救護判断を遅らせてはならない。

給水、冷却設備、救護員の配置に加え、緊急時の連絡・搬送手順も検証すべきである。

 

一方、ルートインホテルズの初優勝は、人材育成の重要性を示した。

高校時代に全国的な花形選手ではなかった選手もいるとされるチームが、強豪を抑えて頂点に立ったのである。

ただし、個々の選手の高校時代の実績や育成過程については、さらなる確認が必要だ。

 

勝因として注目したいのは、特定のスター選手に依存しない総合力だ。

1区8位から、3区の堀尾和帆選手が5人抜きで2位へ浮上。

5区の藤田正由加選手が逆転し、アンカーの保科琴音選手が7秒差で逃げ切った。各選手が自分の役割を果たした結果といえる。

 

松田佑太監督は就任2年目。

選手の能力を引き出し、区間ごとの適性を見極め、チームとして成果につなげたことがうかがえる。

実際、9月の記録会では堀尾選手が5000メートルの自己記録を更新しており、日々の成長が駅伝の結果につながった可能性がある。

 

ISO思考で考えれば、大会運営には危険源の特定、リスク評価、緊急事態への備え、事後検証という安全管理の仕組みが必要だ。

一方、チームづくりには、個々の力量評価、教育・訓練、役割分担、継続的改善という考え方が当てはまる。

 

大会運営は選手の命を守り、チーム運営は選手の可能性を伸ばす。

今回のプリンセス駅伝は、その両方がスポーツの価値を支えていることを教えてくれた。
 

 

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