2026年9月8日付のFNNプライムオンラインが、

『OECD学習到達度調査で日本が3分野全てでトップ! 高校1年生の読解力や数学・科学と新設デジタル分野も1位』

と題した見出し記事を報じていました。

 

以下に、この記事を要約し、日本がOECD学習到達度調査で、3分野全てでトップになった背景と、一方、AI利用頻度は38カ国中最下位だったことについて、考察しました。

 

《記事の要約》

OECDが、2026年9月8日に公表した国際学習到達度調査「PISA2025」で、日本の15歳は科学、読解力、数学の3分野すべてでOECD加盟国トップとなった。

3分野同時首位は調査開始以来、初めて。世界91カ国・地域の約76万人が参加し、日本からは高校1年生を中心に約6500人が受験した。

 

日本の得点は科学538点、読解力503点、数学525点で、いずれもOECD平均を大きく上回った。

ただし全参加国・地域でみると、科学と数学は5位、読解力は4位で、シンガポールや台湾、マカオ、中国の一部地域などが上位に入っている。

 

今回初めて導入された、デジタル機器を使いながら自ら学び、問題を解決する力を測る「ラーニング・イン・ザ・デジタル・ワールド」でも日本は上位だった。

一方、学校の勉強でAIチャットボットを週1回以上利用する生徒は27%にとどまり、OECD平均の46%を大きく下回った。

文章の要約、下調べ、作文などでのAI利用も低水準だった。

 

もっとも、日本の学力そのものが大きく伸びたわけではない。

2022年との比較では数学と科学はほぼ横ばいで、読解力は低下した。

また、高得点層と低得点層の格差は3分野すべてで拡大している。

 

今回の結果は、日本の基礎学力の強さを改めて示す一方、学力格差への対応と、AIを「使わない」のではなく「考える力を損なわず使う」教育への転換という新たな課題も浮き彫りにした。

(要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

PISA2025で日本が科学、読解力、数学の3分野すべてでOECD加盟国首位となったことは、日本の学校教育の底力を示す結果である。

ただし、「日本の学力が急上昇した」と単純に喜ぶのは早い。

 

OECDによれば、日本は2022年比で数学と科学はほぼ横ばい、読解力は低下している。

一方、OECD全体では読解力と数学が過去最低水準まで落ち込んだ。

つまり今回の首位は、日本が世界的な学力低下の中で比較的踏みとどまった結果という側面が強い。

 

なぜ日本は踏みとどまれたのか。

第一に、小中学校で基礎学力を全国的に一定水準まで保障する仕組みが比較的強い。

第二に、授業規律が保たれている。

PISAでは、科学授業中にデジタル機器で頻繁に気を散らされる生徒は日本で7%、OECD平均は28%だった。

また教師が「理解するまで教える」、「必要な時に追加支援をする」と答えた割合も日本は高い。

 

興味深いのがAIである。

日本でAIチャットボットを週1回以上学習に使う生徒は27%で、OECD平均46%を大きく下回る。日本ではAIを使わない生徒の割合も非常に高い。

 

では「AIを使わないから学力が高い」のか。

ここは慎重に考える必要がある。OECD自身も、AI利用と学力の関係は複雑だとしている。

特定の学習課題でAIを使わない生徒の方が高得点となる傾向はある一方、適度にAIを使う生徒は、ほとんど使わない生徒や頻繁に使い過ぎる生徒より良好な結果を示す場合もある。

重要なのは「利用の有無」ではなく「使い方」なのである。

 

今後、日本が避けるべきなのは二つの極端だ。

一つはAIを遠ざけ続けること。

もう一つは「AI先進国」を目指して無条件に利用量を増やすことだ。

AIに要約させる前に自分で読む、答えを得る前に自分で考える、AIの回答を検証し反論させる。そうした基礎学力を土台としたAI教育こそ必要になる。

 

ISO思考で言えば、今回の3冠は「結果」であってゴールではない。

低得点層の増加というリスクを是正しつつ、AIという新しい機会をどう教育プロセスに組み込むか。日本教育の次の競争力は、そこにかかっている。
 

 

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