<ほうき及びブラシの製造業における環境パフォーマンスとは>

ほうき及びブラシの製造業における環境パフォーマンスとは、ほうき、家庭用ブラシ、工業用ブラシ、清掃用ブラシ、歯ブラシ、塗装用ブラシなどの設計、原材料調達、加工、植毛、組立、仕上げ、包装、出荷までの事業活動が環境へ与える影響を把握し、その低減成果を定量的に評価したものである。

ISO14001では、環境パフォーマンスとは環境目標に対する測定可能な結果であり、組織は重要な環境側面を管理し、継続的改善を行うことが求められる。

 

本業種では、木材、竹、天然繊維、ナイロン、ポリプロピレンなどの樹脂繊維、金属線、接着剤、包装材などを使用する。

また、植毛工程、切断工程、研磨工程、成形工程では電力を消費し、端材や樹脂くずが発生する。

さらに、近年は海洋プラスチック問題への関心が高まっていることから、再生材料の利用や製品の長寿命化、リサイクルしやすい設計も重要な環境パフォーマンスとなっている。

 

《環境パフォーマンスの具体例》

1)原材料使用効率の向上

ブラシには樹脂繊維、天然繊維、木材、金属などが使用される。

具体例として、

・原材料歩留まり率の向上

・樹脂端材発生量の削減

・再生樹脂使用率の向上

・持続可能な森林由来木材の使用率向上

などが挙げられる。

 

2)エネルギー使用量及び温室効果ガス排出量の削減

射出成形機、植毛機、切断機、研磨機などで電力を使用する。

具体例として、

・製品1本当たりの電力使用量削減

・エネルギー原単位の改善

・CO2排出量の削減

などがある。

 

3)廃棄物発生量の削減

植毛工程では繊維くず、切断工程では端材、包装工程では包装材の廃棄物が発生する。

具体例として、

・廃棄物発生量の削減

・樹脂端材再利用率の向上

・最終処分量の削減

などがある。

 

4)化学物質管理

接着剤、塗料、洗浄剤などを使用する工程では適切な管理が必要である。

具体例として、

・揮発性有機化合物排出量の削減

・有害化学物質使用量の削減

・水性接着剤への切替率向上

などがある。

 

5)包装材及び物流負荷の低減

大量出荷される製品であるため、包装材及び輸送効率も重要である。

具体例として、

・包装材使用量削減

・再生紙使用率向上

・輸送時CO2排出量削減

などがある。

 

6)製品の長寿命化及び資源循環

耐久性が高く、部品交換が可能な製品は資源消費を抑制できる。

具体例として、

・製品寿命の延長

・ブラシヘッド交換式製品の採用率向上

・リサイクル可能材料使用率向上

などがある。

 

《環境パフォーマンスの取組み方》

1)原材料管理への取組み

材料取りや成形条件を最適化し、端材や不良品の発生を抑制する。

樹脂端材は粉砕して再利用し、木材は適切に管理された森林由来のものを優先的に調達する。天然繊維についても持続可能な供給先を選定する。

 

2)エネルギー管理への取組み

高効率射出成形機や省エネルギー型植毛機を導入する。

設備ごとの電力使用量を見える化し、生産数量当たりのエネルギー原単位を継続的に改善する。LED照明や再生可能エネルギーの導入も有効である。

 

3)廃棄物削減への取組み

加工精度を向上させて不良率を低減する。

樹脂くずや木材端材を材質ごとに分別回収し、可能な限り工程内又は外部で再資源化する。

 

4)化学物質管理への取組み

低揮発性又は水性の接着剤や塗料を採用する。

化学物質管理台帳を整備し、保管、使用及び廃棄を適切に管理する。

局所排気設備を設置し、作業環境と周辺環境への影響を低減する。

 

5)包装及び物流改善への取組み

過剰包装を見直し、再生紙や再利用可能な包装材を採用する。

製品寸法や梱包方法を最適化し、積載効率を向上させることで輸送時の温室効果ガス排出量を削減する。

 

6)製品設計への取組み

ブラシ部分だけを交換できる構造や、単一材料で分解しやすい設計を採用する。

耐摩耗性を向上させることで製品寿命を延ばし、廃棄物の発生を抑制する。

 

<結論>

ほうき及びブラシの製造業における環境パフォーマンスとは、原材料の有効利用、エネルギー使用量の削減、化学物質管理、廃棄物削減、包装材削減及び製品の長寿命化などを通じて環境負荷を低減した成果を示すものである。

 

本業種では、一製品当たりの環境負荷は比較的小さいものの、生産数量が多く、世界中で広く使用されるため、小さな改善の積み重ねが大きな環境効果につながる。

ISO14001に基づき、環境側面を定量的に把握し、設計、調達、製造、物流及び使用後までを含めたライフサイクル全体で継続的改善を進めることにより、資源循環の促進、脱炭素化及び廃棄物削減を実現できる。

こうした取組みは、持続可能なものづくりと企業価値の向上を支える重要な経営基盤となる。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ1021号より)
 

 

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