2026年8月28日付の「オトナンサー」が、
『8月に異例の流行入り…インフルエンザが「過去2番目の早さ」で広がる 厚労省が感染対策を呼び掛け』
と題した見出し記事を報じていました。
以下に、この記事を要約し、今年は、なぜ、異例の早さでインフルエンザが流行しているのか、考察しました。
《記事の要約》
<インフルエンザ、異例の8月流行入り 1999年以降で2番目の早さ>
厚生労働省は、2026年8月28日、全国のインフルエンザ患者報告数が「流行開始」の目安を超えたとして、全国的な流行期に入ったと発表した。
8月17~23日の第34週に、全国約3000カ所の定点医療機関から4094人の患者が報告され、1医療機関当たり1.11人となった。前週の0.69人から大きく増え、流行開始の目安である1.00人を上回った。
前年同期は0.31人だった。
今回の流行入りは、感染症法が施行された1999年以降では、2009年の新型インフルエンザ流行時に次いで2番目に早い。
前年の2025年は9月下旬の第39週だった。地域別では沖縄県が4.43人と最も多く、岩手県2.10人、青森県2.08人、神奈川県1.99人、埼玉県1.83人など、各地で1.00人を超えている。
なぜ真夏に流行が始まったのか、原因は一つに絞れない。
WHOによると、8月中旬には日本や韓国を含む東アジアでインフルエンザ活動の増加が確認され、西太平洋地域ではA(H3)型が最も多く検出されている。
海外との人の往来が活発な中、南半球などで流行していたウイルスが持ち込まれた可能性も考えられる。
また、猛暑で冷房を使い、窓を閉め切った室内に長く集まる機会が増えることも感染拡大の一因となり得る。
ただし、今年の早期流行との因果関係はまだ確定していない。
厚労省は手洗い、せきエチケット、適切なマスク着用などを呼びかけている。
高齢者や基礎疾患のある人は重症化リスクもあるため、「インフルエンザは冬の病気」という思い込みを改める必要がありそうだ。
(要約、ここまで)
《筆者の考察》
<「インフルエンザは冬」の常識が変わる? 異例の8月流行入りを読み解く>
今年のインフルエンザ流行入りは確かに異例だ。
8月17~23日の定点当たり報告数は1.11人。7月下旬の0.24人から、0.37、0.52、0.69、1.11と約1カ月で急上昇した。前年同期の0.31人と比べても明らかに高い。
では、なぜ真夏に増えたのか。
第一に考えられるのが、インフルエンザの世界的な「季節のずれ」と人の移動である。
日本が夏の時期、南半球は冬でインフルエンザの流行期に当たる。
WHOは今年の南半球の一部地域で陽性率が10%を超えた時期があったと報告している。
また8月には、日本と韓国で活動増加が確認された。
国際旅行が日常化した現在、ウイルスが国境を越えて移動し、「冬だけ流行する」という季節性は以前ほど単純ではなくなっている。
第二は、猛暑ゆえの室内環境だ。
夏は湿度が高いからインフルエンザには不利と思われがちだが、実際の生活では冷房の効いた室内に人が集まり、窓を閉めたまま長時間過ごす。
換気が不足すれば飛沫やエアロゾルを介した感染機会は増える。
研究でも、インフルエンザの空気中での挙動には湿度と換気が影響するとされている。
ただし、「冷房が今年の早期流行の主原因」と断定できるデータはない。
第三は、流行が通年化しやすくなっている可能性である。
今年は春にも一定の患者報告が続いており、ウイルスが完全に消えた後に秋から再流行したというより、小規模な感染が残ったまま条件が整って再び増えた可能性も考えられる。
さらに、意見にある「検査数が増えたから早く見つかるようになった」という視点も無視できない。
コロナ禍以降、発熱患者への検査意識や迅速検査へのアクセスは変化した。
ただ、検査増加だけで今年の急上昇を説明できる証拠はなく、実際の感染増加と検出しやすさの両方が影響している可能性を見るべきだろう。
対策で重要なのは、季節ではなく感染状況を見て行動することだ。
発熱やせきがあれば無理に出勤・登校せず、人混みや医療機関、高齢者施設ではマスクを活用する。室内では冷房を維持しながら定期的に換気する。ワクチンも発症を一定程度抑え、重症化予防に有効とされる。
ISO思考で言えば、「インフルエンザは冬」という過去の経験だけでリスクを判断せず、環境変化と最新データに応じて対策を見直すことが重要である。
感染症対策も、もはや季節限定ではなく、必要な時に必要な対策を取る「通年型」へ変わりつつあるのかもしれない。
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