2026年8月23日付の関西テレビが、

『戸建てを売って家族5人で越してきた人も 入居率V字回復「団地」の魅力 若い世代にも人気『住民同士の交流』 令和の「団地暮らし」』

と題した見出し記事を報じていました。

 

以下に、この記事を要約し、団地住まいに魅力を感じる人が増えている背景と経済的な面を含めて団地住まいのメリットとデメリットについて、考察しました。

 

《記事の要約》

<家賃高騰で「団地」が再評価 安さだけではない令和の住まい方>

 

都市部で賃貸マンションの家賃が上昇するなか、かつて「古い」「時代遅れ」とみられた団地が、若者や子育て世帯から再評価されている。

 

大阪府堺市の泉北ニュータウンにある茶山台団地は1971年に誕生した。

高齢化などで2016年には約2割が空室となったが、住民や大阪府住宅供給公社による再生策が進み、近年は高い入居率を取り戻している。

 

人気を集める一つが、隣り合う2戸を一体的に使う「ニコイチ」だ。約90平方メートルを月8万円台で借りられる住戸もあり、仕事部屋と生活空間を分けるなど、在宅勤務にも適している。

大阪府住宅供給公社も、茶山台団地では「ニコイチ」やリノベーション住戸、DIY支援などを展開している。

 

さらに、住民が自由に改装できる住戸、DIY工房、総菜店、パン販売、健康相談、子どもの学習支援など、住宅以外の機能も充実。顔の見える地域コミュニティーが形成され、高齢者の孤立防止や子育て支援にもつながっている。

 

経済面でも団地の魅力は大きい。

特にUR賃貸住宅では、礼金、仲介手数料、更新料、保証人が不要で、契約時に必要なのは原則として敷金2カ月分と日割り家賃、共益費だけだ。長く住むほど初期費用や更新費用を抑えやすい。

 

一方、築年数の古い団地では断熱性、結露、騒音、配管、エレベーターの有無などに差があり、立地によってはバス減便も課題となる。

 

団地人気の復活は、単なる「安い住宅」への回帰ではない。住居費を抑えながら広さと地域のつながりを得るという、新しい住まい方として見直されている。

(要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

<「古い住宅」から「合理的な暮らし」へ 団地人気復活の理由>

 

団地が再評価されている最大の背景は、住宅費の高騰である。都市部ではマンション価格だけでなく家賃も上昇し、家計に占める住居費の重さが増している。

そのなかで、比較的広い住戸を抑えた家賃で確保できる団地は、「余ったお金を教育、趣味、旅行、老後資金に回したい」という層に合理的な選択肢となっている。

 

経済効果は月々の家賃だけではない。

例えばUR賃貸住宅では、礼金、仲介手数料、更新料、保証人が不要で、保証会社への保証料も必要ない。

一般的な賃貸住宅と比べ、転居時の初期費用を大幅に抑えられる場合があり、長期間住めば更新料がない効果も積み上がる。

住宅ローンを抱えず、余剰資金をNISAなどの金融資産形成に振り向けるという考え方とも相性がよい。

 

もう一つの魅力が「広さ」である。

昭和期の団地は敷地に余裕があり、棟間隔が広く、公園や学校が近いケースも多い。

茶山台団地のように2戸を活用する「ニコイチ」なら、子育て、テレワーク、趣味部屋を両立できる。

さらにDIYや地域食堂、健康相談などを組み合わせれば、「住宅+地域サービス」という付加価値が生まれる。

茶山台団地では、駅徒歩圏、教育施設や公園、飲食施設なども再生策の強みとして打ち出されている。

 

ただし、団地なら何でも割安で快適とは限らない。

最大の弱点は建物性能だ。

築50年前後になると、断熱性、結露、遮音性、配管、耐震改修状況、エレベーターの有無などに大きな差がある。

高層階なのにエレベーターがない物件は、高齢になった時の負担が重い。

また、首都圏では駅から離れた団地も多く、バス路線の減便・廃止が進めば資産価値ならぬ「生活価値」が下がる。

 

コミュニティーも長所と短所の両面がある。

顔の見える関係は孤独を防ぐ一方、人付き合いを負担に感じる人には向かない。

騒音や生活習慣の違いも、古い集合住宅では確認すべきポイントだ。

 

今後は「新築か団地か」ではなく、住居費、通勤、広さ、設備、地域とのつながりを総合評価する時代になるだろう。

ISO思考になぞらえれば、住まいも「新しいか古いか」という一点評価ではなく、家計と生活全体の目的に対して有効かを見るべきである。

団地の復権は、住宅を所有することより、「無理なく豊かに暮らすこと」を重視する価値観の変化を映している。
 

 

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