2026年7月22日付のYahoo!ニュースで、選挙コンサルタントの大濱崎卓真氏が、
『「0~3時間睡眠」高市首相の"多忙アピール"はなぜ逆効果に 支持率4割政権を追い込む「発信リスク」』
と題した記事を投稿していました。
「寝ていないアピール」といえば、私には、2000年7月に、雪印乳業の大阪工場で製造された低脂肪乳による食中毒事件で、石川社長が「私は寝ていないんだ」とマスコミに切れたニュースが頭に浮かびます。
以下に、この投稿を要約し、高市首相の「寝ていないアピール」が、なぜ、逆効果になっているのか、また、内閣支持率の低下の要因は、何か、考察しました。
《記事の要約》
高市早苗首相が自身のXに投稿した「就任以来、0~3時間睡眠が常態化している」との発言が波紋を広げている。
2026年7月の週末も公邸で「骨太の方針」や成長戦略などの資料を早朝から深夜まで読み込み、数千通のメール処理にも追われたと説明した。20日は久しぶりに5時間眠り、家事もできたという。
首相としての多忙さを伝える意図があったとみられるが、SNSでは「美談ではない」「時間管理や仕事の分担に問題がある」との批判が目立った。
かつては睡眠を削って働く姿が献身の象徴と受け止められることもあったが、働き方改革や過労死防止への意識が広がった現在、極端な睡眠不足は自己管理や組織運営への不安につながりやすい。
野党からは、首相の判断力を懸念する声も上がった。
厚生労働省の睡眠ガイドは、睡眠不足が注意力や判断力の低下、作業効率の悪化に関係すると指摘している。
一国の首相は外交、安全保障、災害対応など重大な決定を迫られるだけに、睡眠確保は個人の健康問題にとどまらず、国家の危機管理上の課題でもある。
発言の時期も悪かった。毎日新聞の7月18、19日の世論調査では、内閣支持率が前月から10ポイント下落して41%となり、不支持率が初めて支持率を上回った。
政策成果や国会運営への評価が厳しくなる中で、多忙さを強調したため、「働いた時間ではなく結果を示してほしい」との反発を招いた形だ。
首相に必要なのは不眠不休の自己犠牲ではなく、重要課題に集中できる分担体制と、冷静な判断力を保つ健康管理である。
今回の投稿は、政治家の発信が受け手の価値観や社会状況によって逆効果になり得ることを示した。
(要約、ここまで)
《筆者の考察》
<「寝ていない」は努力の証明か――高市首相の発信が裏目に出た理由>
高市首相の「0~3時間睡眠が常態化」という投稿が逆効果になった第一の理由は、有権者が政治家を労働時間ではなく成果で評価するからだ。
物価高や円安への不安、国会運営への不満が強い時期に「これほど働いている」と訴えても、暮らしが改善した実感がなければ、努力の説明ではなく結果が出ないことへの弁明と受け止められる。
第二は、働き方に対する社会の価値観が変わったことである。
睡眠を削ることを勤勉さの証明と考える世代もあるが、現役世代には、仕事を抱え込まず、部下に権限を移し、優先順位を付けることも管理能力だという考えが広がっている。
特に首相は、全ての資料やメールを一人で処理することより、官房長官、閣僚、官僚組織を適切に機能させることが求められる。
「寝ていない」という言葉は、献身よりも組織管理の失敗を想起させた。
第三は、危機管理上の不安である。
厚生労働省は、睡眠不足が注意力、判断力、感情の安定、作業効率の低下に関係するとしている。
外交交渉、災害対応、安全保障では、一つの判断ミスが国民生活に重大な影響を与える。
首相の休養は私生活ではなく、国家機能を維持するための業務の一部と考えるべきだ。
さらに、発言のタイミングも悪かった。
毎日新聞の7月調査では支持率が51%から41%へ急落し、不支持が上回った。6月の各社調査でも支持率にばらつきはあるものの、複数社で低下傾向が確認されていた。
支持率低下の要因は一つではない。物価高への対応、政策の優先順位、国会での与野党対立、政権の説明不足などが重なり、「何を実現したのか」が見えにくくなったことが大きい。
長時間働いているという発信は、こうした政策評価への回答にはならなかった。
また、「寝ていない」という表現には、日本社会で過去の企業不祥事を連想させる面もある。
危機の際に責任者が多忙さを訴えると、被害を受ける側の苦しみより、自分の苦労を優先しているように響く。
共感を得るための発信が、自己弁護や余裕のなさと受け取られやすいのである。
今後、首相が示すべきなのは睡眠時間ではなく、政策の進捗、判断の根拠、優先課題、実施期限である。
同時に、資料の要約、メールの選別、閣僚への権限移譲など、首相が最重要判断に集中できる仕組みを整える必要がある。
ISO思考でいえば、個人の頑張りに依存する運営は持続可能ではない。
業務を整理し、責任と権限を分担し、健康を含むリスクを管理することが組織の基本である。
「休むのも仕事」という言葉は、首相にこそ当てはまる。
【好評発売中!】
『サービス業のISO(設計・環境側面・危険源・気候変動)』(令和出版)2025年4月30日発売
『~マーケット・クライアントの信頼を高めるマネジメントシステム~ サービス業のISO (設計・環境側面・危険源・気候変動の実践ガイド)』 著:有賀正彦 - 令和出版
『できるビジネスマンのマネジメント本』(玄武書房)
https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/
【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓
(パソコンでアクセスしている方)
http://www.mag2.com/m/0000218071.html
(携帯でアクセスしている方)
http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html
Twitter:https://twitter.com/ariga9001