2026年7月2日付の時事通信社が、
『女性教員「洗濯物は私服」 電気ストーブも私物 小学校火災』
と題した見出し記事を報じていました。
筆者の、あくまでも個人的な想像ですが、女性教員は、金管楽器の拭くためのタオルを洗濯する業務があるため、ついでに、早朝に出勤して、私服も洗濯し、私物の電気ストーブで乾かしていたのでしょう。
一般的には、音楽教員は、学校にひとりですから、音楽準備室は、「この女性教員専用の部屋」と化していて、事実上、“アンチャッタブルな空間”だったのでしょう。
以下に、この記事を要約し、“私服を洗濯し、私物の電気ストーブを持ち込んだのか、女性教員を擁護するとしたら、どのような点か”、および、“学校側に今後必要な業務管理、リスク管理”について考察しました。
《記事の要約》
東京都北区立滝野川第三小学校で発生し、児童ら11人が重軽傷を負った火災で、火元とみられる校舎4階の音楽準備室に干されていた洗濯物について、40代の女性教員が「私服であり、近くに置いていた電気ストーブも私物だった」と説明していることが明らかになった。
学校は、2026年7月2日に記者会見を開き、高草木政浩校長らが経緯を説明した。
それによると、女性教員は先月28日、入院先での聞き取りに対し、火災当日、校舎1階の家庭科室で自分の私服を洗濯し、その後、音楽準備室で干していたと説明したという。
一方で、女性教員は以前から、金管バンドで使用する楽器を拭くタオルなど学校備品も洗濯していたとしている。
当日は通常より早い午前6時頃に出勤していたが、他の教職員は私服を洗濯していた事実を把握していなかったという。
警視庁滝野川署によると、火元付近からは焼損した電気ストーブのほか、複数のサーキュレーターが見つかっており、ストーブを使用して洗濯物を乾燥させていた可能性もあるとみられる。
同署は失火容疑も視野に出火原因を詳しく調べている。
高草木校長は、私服を学校施設で洗濯していた理由については確認できていないとした上で、「服務上、適切ではなかった」と述べた。
今回の火災では、児童ら11人が重軽傷を負い、学校施設にも大きな被害が生じた。
学校施設内への私物電気製品の持ち込みや、管理が十分に行われていたのかも重要な検証課題となる。
今回の事案は、一教員の不適切な行為だけでなく、学校における備品管理、私物持ち込みのルール、安全管理、早朝勤務の実態など、組織としての管理体制の在り方も問われる事故となった。
(要約、ここまで)
《筆者の考察》
<学校に求められる業務管理とリスク管理>
今回の火災では、学校施設で私服を洗濯し、私物の電気ストーブで乾燥させていたことが大きな問題となっている。
ただし、女性教員を一方的に非難するだけでは、この事故の本質を見誤る恐れがある。
まず考えられる背景として、小学校教員の長時間労働がある。
記事によれば、女性教員は通常でも午前6時頃に出勤していたという。
音楽担当教員は一人であることが多く、授業準備に加え、金管バンドなど課外活動の指導、楽器や備品の管理まで担う場合が少なくない。
学校備品であるタオル類を日常的に洗濯していたのであれば、その延長線上で「ついでに私服も洗濯する」という感覚になってしまった可能性は否定できない。
また、音楽準備室が事実上、専用スペースのような状態となり、私物の電気ストーブやサーキュレーターが常態的に置かれていても誰も気付かなかったのであれば、個人の問題だけでなく、組織による管理の空白が存在していたとも考えられる。
もちろん、学校施設で私服を洗濯することや、私物電気製品を無断で持ち込むことは適切とは言えない。
しかし、もし長年同様の状態が続いていたのであれば、「なぜ誰も気付かなかったのか」「なぜ是正されなかったのか」という管理監督責任も同時に検証すべきである。
再発防止には、学校全体のリスク管理を見直す必要がある。
1)私物電気製品の持ち込み禁止または許可制の明文化と定期点検の実施
2)教室や準備室などの安全巡視を管理職が定期的に行い、私物の保管状況を確認する
3)早朝・夜間勤務について事前申請制とし、勤務実態を把握する
といったことが重要である。
さらに、教員が本来業務以外の作業まで抱え込まないよう、部活動や教材管理の支援員配置など、業務そのものを見直すことも必要である。
ISO思考では、事故を起こした個人だけを責めるのではなく、「なぜその行動が組織内で常態化したのか」という根本原因を分析し、仕組みを改善することを重視する。
今回の事故も、教員個人の判断ミスだけではなく、学校全体の業務管理、安全管理、内部統制の弱さが重なって発生した可能性が高い。
児童の安全を守る学校だからこそ、「個人任せ」ではなく、ルール・点検・教育を組み合わせた組織的なリスクマネジメントを徹底することが、信頼回復への第一歩となるだろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ1018号より)
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