<車椅子等身体障害者用車両の製造業における環境パフォーマンスとは>

 

車椅子等身体障害者用車両の製造業における環境パフォーマンスとは、手動車椅子、電動車椅子、歩行支援車、身体障害者用移動補助車両などの設計、材料調達、加工、組立、塗装、出荷、使用後回収に至るまでの活動が環境へ与える影響を把握し、その低減成果を定量的に示すものである。

ISO14001では、環境側面を特定し、重要な環境影響に対して目的及び目標を設定し、継続的改善を行うことが求められる。

本業種は、アルミ材、鋼材、樹脂、ゴム、電子制御部品、電池など多様な材料を使用すること、さらに製品が長期間利用される医療・福祉機器である点に特徴がある。

そのため、製造工程の環境負荷低減だけでなく、耐久性、修理性、リサイクル性など製品ライフサイクル全体で環境パフォーマンスを考える必要がある。

 

《環境パフォーマンスの具体例》

1)製造工程におけるエネルギー使用量及び温室効果ガス排出量の削減

溶接機、切断機、塗装乾燥設備、組立設備などの電力消費低減が代表的な指標となる。

 

2)材料使用効率の向上

アルミフレームや樹脂部品の加工時に発生する端材削減、再資源化率向上が環境パフォーマンスの具体例となる。

 

3)塗装及び接着工程における化学物質管理

塗料、接着剤、洗浄剤などに含まれる揮発性有機化合物の削減が重要である。

 

4)廃棄物管理

不良部品、包装材、廃油、廃バッテリーなどの発生量削減と適正処理が求められる。

 

5)製品の長寿命化及び修理性向上

長期間使用できる製品は廃棄物削減につながるため、重要な環境パフォーマンスである。

 

6)電動車椅子では電池の回収及びリサイクル

電動車椅子では電池の回収及びリサイクルも重要な環境側面となる。

 

《環境パフォーマンスの取組み方》

1)エネルギー管理

高効率設備の導入、エネルギー使用量の見える化、設備停止ルールの徹底、LED照明への切替、再生可能エネルギー活用を進める。

 

2)材料管理

設計段階での軽量化と高耐久化を両立し、端材発生を抑える加工方法を採用する。アルミや鋼材は分別回収し再資源化を徹底する。

 

3)化学物質管理

水性塗料や低揮発性接着剤への切替、局所排気設備の導入、保管管理の徹底、作業標準化及び教育訓練を行う。

 

4)廃棄物管理

不良率低減、工程内再利用、包装材削減、分別強化、リサイクル業者との連携を実施する。

 

5)製品設計

交換しやすい部品構造、修理用部品の長期供給、モジュール化設計を進め、長寿命化を図る。

 

6)電動車椅子の場合

電動車椅子では、使用済み電池回収制度の整備、電池劣化診断、リサイクルルート確立を行う。

さらに、利用者の安全性と環境配慮を両立させることが重要である。

 

<結論>

車椅子等身体障害者用車両の製造業における環境パフォーマンスは、製造工程におけるエネルギー、材料、化学物質、廃棄物管理と、製品の長寿命化、修理性、電池リサイクルによる環境貢献の両面から評価される。

ISO14001に基づき、定量的な指標を設定し、設計から製造、使用後回収までを含めた継続的改善を進めることで、環境負荷低減と福祉価値向上を同時に実現できる。

環境パフォーマンスの向上は、持続可能な福祉社会の実現に貢献する重要な経営課題である。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ1012号より)
 

 

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