2026年7月3日付の共同通信社が、

『南米沖で「エルニーニョ」発生 WMO、異常気象へ警戒訴え』

と題した見出し記事を報じていました。

以下に、この記事を要約し、今回のエルニーニョ現象により、日本に及び影響とその対応策について、考察しました。

 

《記事の要約》

世界気象機関(WMO)は、2026年7月3日、南米ペルー沖から太平洋赤道域にかけて海面水温が高い状態となる「エルニーニョ現象」が発生したと発表した。

7月から9月にかけて急速に発達する見通しで、世界各地で熱波、干ばつ、豪雨などの異常気象が起きるリスクが高まっているとして、各国に警戒を呼びかけている。

 

WMOによると、複数の予測モデルが同じ傾向を示しており、今回の見通しの確度は高い。エルニーニョの影響により、南緯60度から北緯60度までの陸地の大部分で、気温が平年を上回る可能性が極めて高いという。

この範囲は、人が多く暮らす地域の大半を含んでおり、農業、水資源、電力供給、防災など幅広い分野への影響が懸念される。

 

WMOのサウロ事務局長は、人命を守り、経済や地域社会への影響を軽減するため、国連機関や各国政府と連携して対策を支援する考えを示した。

WMOは6月時点でも、熱帯太平洋の海面水温上昇が続き、エルニーニョが世界の気温や降水パターンに影響を及ぼすと警告していた。

 

日本の気象庁も6月、エルニーニョ現象が発生したとみられると発表している。

一般にエルニーニョ発生時の日本の夏は、太平洋高気圧の張り出しが弱まり、冷夏になりやすいとされる。

ただし今年は、太平洋高気圧の北への張り出しが強いことなどから、気温は高くなる見通しだ。つまり、「エルニーニョなら冷夏」と単純には言えず、日本では猛暑や大雨への備えが必要になる。

(要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

エルニーニョ現象は、太平洋赤道域の海面水温が平年より高くなることで、大気の流れや降水帯の位置を変え、世界各地の気象に影響を及ぼす。

今回、WMOは7月から9月にかけて急速に発達する可能性を示し、熱波、干ばつ、豪雨など極端気象への警戒を求めている。

6月時点のWMO発表でも、エルニーニョが世界の気温と降水パターンを変え、今後数か月の極端気象リスクを高めるとされていた。

 

日本への影響で難しいのは、「エルニーニョ=冷夏」と単純化できない点である。

確かに、エルニーニョ時には日本付近で太平洋高気圧が弱まり、夏は低温・多雨になりやすい傾向がある。

しかし近年は地球全体の気温上昇が底上げ要因となり、エルニーニョがあっても猛暑になる例がある。

実際、2023年のエルニーニョ発生時も日本の夏は記録的高温となった。

今年も気象庁は、日本付近は高温になる可能性が高いと予想している。

 

想定される影響は三つある。

1)熱中症リスク
高温多湿が続けば、高齢者、屋外労働者、子どもへの影響が大きい。

2)農業への影響
高温障害による米や野菜の品質低下、水不足、逆に局地的豪雨による冠水被害が懸念される。

3)台風や大雨への備え
エルニーニョ時は台風の発生位置や進路が平年と変わる場合があり、梅雨末期から秋にかけて水害への警戒が必要になる。

 

対応策として、行政は早期警戒情報を生活者に届く言葉で発信することが重要だ。
自治体は避難所の冷房、給水体制、停電時の高齢者支援、農業用水の調整を前倒しで確認すべきである。
企業は熱中症対策を労働安全衛生の一部として扱い、屋外作業の時間変更、休憩基準、水分・塩分補給、空調服の活用を徹底する必要がある。
家庭では、エアコンの試運転、非常用飲料水、常備薬、停電時の充電手段、ハザードマップ確認が基本となる。

 

ISO思考で言えば、今回のエルニーニョは「外部環境の変化」に対するリスクマネジメント課題である。
気象を止めることはできないが、被害は準備で減らせる。重要なのは、冷夏か猛暑かという二択で考えず、「高温、豪雨、農作物不作、水不足が同時に起こり得る」と想定し、自治体、企業、家庭がそれぞれのBCPを見直すことである。
 

 

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