2026年6月13日付の共同通信社が、

『家計の株資産、500兆円超に 10年で倍増、NISA後押し』

と題した記事を報じていました。

以下に、この記事を要約し、日本の家計における株資産の今後(例:貯金から投資へ等)について予測し、考察しました。

 

《記事の要約》

政府が進める「貯蓄から投資へ」の流れが加速し、日本の家計における株式や投資信託などのリスク資産が大きく増えている。

日銀の資金循環統計によると、2025年末時点で家計が保有する株式等は342兆円、投資信託は165兆円となり、合計507兆円に達した。

10年前の2015年末は258兆円であり、この10年間でほぼ倍増したことになる。

 

背景には、株価上昇や円安に加え、2014年に始まった少額投資非課税制度(NISA)の普及がある。

特に2024年から始まった新NISAでは非課税投資枠が大幅に拡充され、若年層や投資初心者にも資産運用が広がった。

 

投資商品の環境も大きく変化した。

かつて投資信託は手数料が高いというイメージがあったが、近年は低コスト化が進んでいる。

代表例が「eMAXIS Slim」シリーズで、運用コストを業界最低水準まで引き下げたことで人気を集めている。

 

また、ネット証券各社では投信積立が急増している。

クレジットカード積立やポイント投資など手軽な仕組みが普及し、投資が特別なものではなく日常的な資産形成手段へと変わりつつある。

 

一方で、資産価格の上昇だけでなく、物価高も投資拡大の背景にある。

預貯金だけでは資産価値を維持しにくくなり、多くの家庭が将来の生活防衛策として投資を選択している。

 

ただし、株式市場には価格変動リスクもある。

今後、相場の下落局面が訪れる可能性もあり、長期・積立・分散投資を継続できるかが資産形成の重要なポイントとなりそうだ。

(要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

【貯金大国から投資大国へ、日本の家計はどう変わるのか】

日本人は長年、「貯金好きの国民」と言われてきた。

家計金融資産の半分以上を現金や預金で保有し、株式投資には慎重な姿勢が続いていた。

しかし近年、その構図が大きく変わり始めている。

 

最大の理由は物価上昇である。

かつては銀行預金に預けておけば実質的に資産価値を維持できたが、現在は状況が異なる。

おにぎり1個が100円から150~200円へ上昇するように、現金の購買力は年々低下している。

預金金利が物価上昇率を下回れば、実質的には資産が目減りしているのと同じである。

 

こうした状況の中で、新NISAの拡充やネット証券の利便性向上、低コスト投資信託の普及が追い風となり、「投資は一部の富裕層のもの」という時代は終わりつつある。

 

今後10年を展望すると、「貯金から投資へ」の流れはさらに進む可能性が高い。

特に20代から40代の現役世代では、給与天引き型の積立投資が一般化し、家計資産に占める株式や投資信託の割合は着実に上昇するだろう。

 

一方で注意すべき点もある。

現在の資産増加には株高や円安による評価益が含まれている。

市場は常に上昇するわけではなく、大幅な下落局面も必ず訪れる。

実際、リーマンショックやコロナショックでは株価が短期間で大きく下落した。

 

その際に慌てて売却してしまう人と、積立を継続できる人とでは将来の資産形成に大きな差が生まれる。

投資は短期的な値動きで利益を狙うものではなく、長期的な資産形成手段として考えることが重要だ。

 

一般家庭への影響としては、今後「資産格差」が拡大する可能性がある。

投資を継続した家庭は資産が増えやすく、預金だけに依存した家庭はインフレによって実質的な資産価値が低下する恐れがあるからだ。

 

ただし、投資が万能というわけではない。

生活防衛資金や緊急予備資金は預金で確保し、その上で余裕資金を長期・積立・分散で運用することが基本である。

 

これからの日本では、「貯金か投資か」という二者択一ではなく、「預金と投資をどう組み合わせるか」が家計管理の重要なテーマになるだろう。

人生100年時代を迎えた今、資産形成は一部の専門家だけの話ではなく、すべての家庭にとって必要な生活技術になりつつあるのである。

 

 

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