2026年6月3日付で、共同通信社が、

『セブン、カップ再利用費過大徴収 全国2万店から十数億円』

と題した見出し記事を報じていました。

以下に、この記事を要約し、なぜ、“カップ再利用費の過大徴収が発生したのか”および、セブンイレブンが実施すべき再発防止策について、考察しました。

 

《記事の要約》

コンビニ最大手のセブン-イレブン・ジャパンが、「セブンカフェ」のアイスコーヒー用プラスチックカップのリサイクル費用を加盟店から過大に徴収していたことが明らかになった。

対象期間は2024年度までの6年間で、総額は十数億円に上る見通しだ。同社は2026年7月までに加盟店への返金を進める方針で、経営責任や関係者の処分も検討している。

 

コンビニなどの事業者は、容器包装リサイクル法に基づき、使用したプラスチック容器の再商品化を委託するため、日本容器包装リサイクル協会へ委託料を支払う義務がある。

セブン-イレブンでは、本部が加盟店からその費用を徴収し、協会へ一括して支払っている。

 

問題が発覚したのは2025年5月。

加盟店からの指摘を受けて調査したところ、本部がリサイクル費用の計算を誤っていたことが判明した。

本来は「カップ1個当たり」の費用として計算すべきところを、「12個入り1ロット当たり」の費用と誤認し、結果として12倍の金額を加盟店から徴収していたという。

 

この誤りは約6年間にわたり見過ごされていた。

返金額は加盟店1店舗当たり5万~9万円程度になる見込みだ。

 

今回の問題は、単なる計算ミスにとどまらず、本部による料金設定や請求内容を検証する仕組みが十分機能していたのかという点にも疑問を投げかけている。

加盟店との信頼関係を重視するフランチャイズ事業において、本部の説明責任や内部統制の在り方が改めて問われることになりそうだ。

(要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

<なぜ過大徴収が発生したのか、セブンイレブンが実施すべき再発防止策>

今回のセブン-イレブンの過大徴収問題は、一見すると「単純な計算ミス」のように見える。

しかし、6年間で十数億円もの過大徴収が続いた事実を考えると、真の問題は計算ミスそのものではなく、それを発見できなかった組織のマネジメントシステムにあると考えるべきだろう。

 

記事によれば、本来はカップ1個当たりのリサイクル委託料を徴収すべきところを、12個入り1ロット分の単価と誤認し、12倍の金額を徴収していたという。

仮に担当者が最初に入力を誤ったとしても、その後6年間にわたり誰も気付かなかったことは極めて深刻である。

 

通常であれば、経理部門、環境関連部門、加盟店支援部門、内部監査部門など複数の部署が関与する。

さらに加盟店から徴収した総額と、実際にリサイクル協会へ支払った金額との差異について定期的な検証が行われていれば、もっと早い段階で発見できた可能性が高い。

 

今回の事案で考えられる原因は大きく4つある。

 

1)「担当者任せ」の業務運用
料金算定の根拠を複数人で確認する仕組みが弱かった可能性がある。

 

2)「変更管理の不足」

法令や協会の料金体系が変更された際に、計算根拠を再確認するプロセスが十分ではなかった可能性がある。

 

3)「内部監査の形骸化」

数字の整合性だけでなく、請求根拠そのものを監査対象としていたかが問われる。

 

4)「加盟店とのコミュニケーション不足」
今回も加盟店の指摘で発覚しており、本部側からの自主発見ではなかった。

 

再発防止策としては、まず料金算定プロセスの標準化が必要だ。
請求金額の算出根拠を文書化し、担当者以外の第三者によるダブルチェックを義務付けるべきである。

 

次に、本部と加盟店の間で徴収項目の透明性を高めることだ。
加盟店が請求内容を容易に確認できる仕組みを整えれば、異常値の早期発見につながる。

 

さらに、内部監査の強化も不可欠である。

単なる会計監査ではなく、「請求根拠監査」「法令順守監査」を定期的に実施するべきだろう。

 

ISOの観点から見れば、これはまさに「リスクベース思考」の不足と言える。

ISO9001でも求められるように、「間違いが起きる可能性」だけでなく、「間違いが長期間発見されない可能性」を管理しなければならない。

 

コンビニ業界は本部と加盟店の信頼関係で成り立つビジネスである。

今回の問題で最も失われたのは十数億円ではなく、「本部への信頼」かもしれない。

セブン-イレブンには返金だけでなく、なぜ発見できなかったのかを徹底的に検証し、加盟店が納得できる説明責任を果たすことが求められる。
 

 

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