2026年5月19日付の共同通信社が、
『完全養殖ウナギ、初の試験販売へ 技術でコスト減、1尾5千円程度』
と題した見出し記事を報じていました。
以下に、この記事を要約し、「完全養殖ウナギの今後の技術開発への期待と試乗への影響、および、ニホンウナギがレッドリストから除外されるための水産庁に求められる政策」について考察しました。
《記事の要約》
水産庁は2026年5月19日、完全養殖したニホンウナギを5月29日から世界で初めて試験的に一般販売すると発表した。
販売は 日本橋三越本店 や イオンのECサイト で行われ、価格は1尾約5000円となる。
完全養殖とは、人工的に育てた親ウナギから採卵し、ふ化した稚魚を成魚まで育て、さらに次世代につなげる技術である。
これまでウナギ養殖は、天然のシラスウナギの採捕に依存してきたため、資源減少が大きな課題となっていた。
国立研究開発法人 水産研究・教育機構 によると、稚魚1尾当たりの生産コストは2016年度の約4万円から、自動給餌や水槽の改良によって約1800円まで低下した。
それでも天然の稚魚を使う養殖に比べると3~4倍のコストがかかるため、今後は800円程度まで下げることを目指している。
農林水産省は2050年までに、国内で流通するウナギをすべて人工の稚魚由来にする方針を掲げる。
今回の試験販売は、絶滅危惧種に指定されているニホンウナギの資源保護と、日本の水産技術の新たな一歩として注目されている。
(要約、ここまで)
《筆者の考察》
<完全養殖ウナギが変える「土用の丑の日」の未来>
完全養殖ウナギの一般販売は、日本の水産業にとって歴史的な出来事である。
これまでの養殖は、天然のシラスウナギを捕獲して育てる方式で、資源減少の根本的な解決にはならなかった。
完全養殖が普及すれば、天然資源に依存せず、安定的にウナギを供給できるようになる。
今回の価格は1尾5000円と高価だが、技術開発が進めば大幅なコスト低減が期待される。
将来的には、「天然だから価値がある」のではなく、「持続可能だから選ばれる」という時代が到来する可能性が高い。
さらに品種改良によって、脂ののりや食味を向上させた「天然を超えるウナギ」が誕生するかもしれない。
消費者への影響も大きい。
これまで「絶滅危惧種を食べること」に抵抗を感じていた人も、完全養殖なら安心して購入できる。
年に数回のぜいたくとして、環境負荷の少ない選択肢を支持する消費行動が広がるだろう。
一方で、完全養殖だけではニホンウナギは International Union for Conservation of Nature のレッドリストからすぐに外れるわけではない。
野生個体群の回復が不可欠である。そのため水産庁には、シラスウナギ採捕量の厳格な管理、違法取引の取り締まり、河川や湿地の再生、魚道整備、水質改善、国際的な資源管理の強化が求められる。
つまり、完全養殖は「技術の勝利」であると同時に、「資源管理の出発点」でもある。
ISO思考で言えば、問題を見える化し、原因を特定し、技術革新と制度改革を組み合わせて持続可能な仕組みを構築することが重要だ。
日本のウナギ文化を未来へ残すために、科学と政策の両輪が今こそ問われている。
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