2026年5月18日付の共同通信社が、
『ストレス検査、28年から義務化 全事業所が対象、厚労省』
と題した見出し記事を報じていました。
以下に、この記事を要約し、ストレス検査の義務化の背景と事業所やISO45001への影響などについて、考察しました。
《記事の要約》
厚生労働省は2026年5月18日、従業員50人未満の事業所にもストレスチェックを義務付け、2028年4月から全ての事業所で実施する方針を示した。
精神障害による労災認定件数の増加を受け、2025年5月に改正労働安全衛生法が成立したことによる措置である。
ストレスチェックは、働く人の心理的負荷を把握し、メンタルヘルス不調を未然に防ぐ制度だ。
従業員50人以上の事業所では既に年1回の実施が義務付けられているが、小規模事業所では努力義務にとどまっていた。
そのため実施率は低く、十分な対策が行われていないとの指摘があった。
今回の法改正により、企業規模を問わず全ての職場で、従業員のストレス状態を定期的に把握し、必要に応じて医師面接や職場環境の改善につなげることが求められる。
改正法にはこのほか、高齢者の労働災害を防ぐため、作業環境の改善を事業者に努力義務として課す内容も盛り込まれた。
人手不足が深刻化する中、年齢や規模を問わず、安全で健康に働ける職場づくりが企業にとって重要な経営課題となっている。
(要約、ここまで)
《筆者の考察》
<ストレスチェック義務化は「制度」から「職場改善」へ進化できるか>
ストレスチェックが全事業所で義務化される背景には、働く人の心の不調が急増している現実がある。
近年、パワハラや長時間労働、人手不足による業務過多などを原因とする精神障害の労災認定件数は過去最高水準で推移している。
50人未満の事業所では、産業医の選任義務がなく、メンタルヘルス対策が手薄になりやすかったため、制度の空白を埋めることが今回の改正の狙いだ。
ただし、ストレスチェックは「実施すること」自体が目的ではない。
重要なのは、集団分析によって部署ごとの課題を見つけ、業務量の見直し、上司とのコミュニケーション改善、ハラスメント防止など具体的な対策につなげることである。
検査をして結果を返すだけでは、単なる儀式に終わってしまう。
小規模事業所にとっては、費用負担や産業医の確保が大きな課題となる。
国や自治体には、地域産業保健センターの機能強化、助成金、オンライン相談体制の整備など、実務的な支援が求められる。
ISOマネジメントシステムの観点から見ると、特に International Organization for Standardization の ISO 45001 に与える影響は大きい。
ISO 45001では、6.1でリスクと機会を特定し、8.1で運用管理を行い、9.1でパフォーマンスを評価し、10.2で改善することが求められている。
ストレスチェックは、心理社会的危険源を定量的に把握する重要な情報源となり、法令順守の証拠にもなる。
つまり、ストレスチェックの義務化は、ISO 45001認証組織にとって「メンタルヘルスの見える化」と「継続的改善」を進める好機である。
ISO思考で言えば、問題の発見、原因分析、対策、効果確認というPDCAを回すことが本質だ。
制度の価値は、アンケート用紙ではなく、職場が本当に変わるかどうかで決まる。
義務化をきっかけに、「我慢する職場」から「安心して働ける職場」へ転換できるかが問われている。
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