2026年5月6日付のMBSニュースが、
『シニアのSNS利用「60代で9割超」80代前半も約半数! Instagramは60代女性の3割が利用も「見るだけ」が大半 アイドル、孫の動画、お出かけスポット…シニアはSNSで何を見ているのか、実際に当事者に聞いてみた』
と題した見出し記事を報じていました。
以下にこの記事を要約し、シニア世代のSNS利用における好影響と悪影響などについて、考察しました。
《記事の要約》
SNSは若者中心のツールというイメージが強いが、近年はシニア世代にも急速に広がっている。
NTTドコモのモバイル社会研究所が2026年1月に実施した調査によると、LINEやInstagram、Facebook、X、TikTokなど、いずれかのSNSを利用している割合は、60代で92%、70代で78%、80代前半でも47%に達した。
特に70代男性の利用率増加が目立ち、前年より7ポイント上昇した。
背景にはスマートフォン普及の拡大がある。スマホ所有率は60代で95%、70代で86%、80代前半でも69%となり、3G回線終了に伴うガラケーからの買い替えも影響したとみられる。
利用内容を見ると、LINEが最も多く、60代ではInstagram、70代と80代前半ではFacebookが次に多かった。
60代女性では約3割がInstagramを利用しており、ライブ情報や旅行先、掃除方法、植物の育て方など、趣味や生活情報の収集に活用している。
また、FacebookやXでは「発信」する利用者も多い一方、InstagramやTikTokは「見るだけ」の利用が中心となっている。
友人や家族、孫の近況確認などに使われるケースも増えているようだ。
これまで「高齢者はSNSが苦手」という見方もあったが、現在の60代、70代はパソコンやインターネットの普及期を経験した世代でもある。
今後は、情報収集だけでなく、交流や趣味、防災、健康管理など、シニア世代のSNS活用はさらに広がっていきそうだ。
(要約、ここまで)
《筆者の考察》
シニア世代のSNS利用拡大は、日本社会のデジタル化を象徴する現象のひとつだ。
かつて高齢者は「ネットが苦手」「スマホが使えない」と見られがちだった。
しかし、現在の60代や70代は、パソコンや携帯電話の普及期を社会人として経験してきた世代であり、実際にはデジタル機器への抵抗感が比較的少ない人も多い。
SNS利用の好影響としてまず挙げられるのは、「孤立防止」である。
高齢になると、退職や配偶者との死別などで人との接触機会が減りやすい。
しかしLINEやFacebookなどを通じて家族や友人とつながることで、心理的孤立感の軽減につながる。
特に地方や一人暮らしの高齢者にとって、SNSは“社会との窓口”として機能している。
また、情報収集能力の向上も大きい。
従来はテレビや新聞が中心だったが、SNSでは趣味、健康、旅行、防災、地域イベントなど、より細かく多様な情報を得られる。
記事にもあったように、掃除方法や植物栽培、推し活情報などを楽しむ高齢者も増えている。これは知的好奇心の維持にもつながる。
さらに、デジタル活用は認知機能維持にも一定の効果が期待される。
スマホ操作や情報検索、投稿作成などは、脳への刺激になるからだ。
行政手続きやキャッシュレス決済なども含め、「デジタル社会から取り残されない」ことは、生活の質そのものに関わる時代になっている。
一方で、悪影響やリスクも無視できない。
最も深刻なのは「情報の偏り」である。XやYouTubeは利用者の好みに合わせて情報を表示するため、自分と似た意見ばかりを見る「エコーチェンバー現象」が起きやすい。
政治や社会問題で極端な情報ばかりに接触すると、考え方が偏る危険がある。
また、高齢者は詐欺や偽情報の標的にもなりやすい。投資詐欺、なりすまし、偽通販サイト、フェイクニュースなどは年々巧妙化している。
SNS上では「本物らしく見える偽物」が大量に流通しており、情報リテラシー教育はシニアにも不可欠だ。
さらに、SNS依存による生活リズムの乱れや、人間関係トラブルも起こり得る。
LINE疲れや誹謗中傷、デマ拡散への加担など、若年層と同様の問題がシニア層にも広がっている。
重要なのは、「高齢者だからSNSは危険」と決めつけることではない。
むしろ、正しく使えば、SNSはシニア世代の孤立防止、学び直し、社会参加を支える有力なツールになる。
今後は自治体や地域社会が、スマホ教室だけでなく、「情報を見極める力」を含めたデジタル教育をどう広げるかが重要になるだろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ1010号より)
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