2026年5月10日付の「食品産業新聞社」が、
『ミネラルウォーター市場、容量・容器で差別化進む 無色透明の水に新価値』
と題した見出し記事を報じていました。
私個人は、滅多にミネラルウォーターを購入しないので、差別化が進んでいる現状について、実感が湧きませんが、以下に、この記事を要約し、ミネラルウォーターの差別化の実態や新しい価値、今後の展望などについて考察しました。
《記事の要約》
ミネラルウォーター市場が堅調に拡大している。日本ミネラルウォーター協会によると、2025年の国内生産と輸入を合わせた販売金額は前年比3.1%増の約5057億円となり、過去最高を更新した。2026年も好調な推移が続いているとみられる。
本来、水は無色透明で味の違いが分かりにくく、差別化が難しい商品だ。
しかし各社は、容量や容器、環境配慮、飲用シーンに合わせた提案によって「選ばれる理由」を作り出している。
サントリーは、持ち運びやすい375ミリリットルを追加し、バッグに収まりやすいサイズを提案。
アサヒ飲料は、ラベルをはがしやすい「シンプルecoラベル」を採用し、分別の手間を減らした。コカ・コーラの「い・ろ・は・す」は、つぶしやすいボトルや環境活動を訴求している。
また、大塚食品の「クリスタルガイザー」は700ミリリットルの「ちょうどよいサイズ」で支持を得ている。
さらに、災害備蓄用の長期保存水や紙容器入りの商品も広がっている。
かつては「採水地」と「安全性」が主な訴求点だったが、今では持ち運びやすさ、分別のしやすさ、備蓄性、環境配慮などが新たな価値となっている。
水そのものではなく、「どう使うか」が競争の中心になっている。
(要約、ここまで)
《筆者の考察》
ミネラルウォーターは、一見すると差別化が難しい商品である。
中身はほぼ「水」であり、日本では水道水も安全でおいしく飲める。
それでも市場が拡大を続けているのは、企業が「水そのもの」ではなく、「使う場面」や「心理的価値」を売っているからだ。
第一の差別化は、利便性である。
500ミリリットル、700ミリリットル、1リットルなど、細かな容量設定によって「少しだけ飲みたい」「一日持ち歩きたい」「家族で使いたい」といった生活シーンに対応している。
これは単なるサイズ違いではなく、利用者の行動に寄り添った商品設計である。
第二の差別化は、容器の工夫だ。
軽くてつぶしやすいボトル、はがしやすいラベル、紙容器など、使い終わった後の手間まで考慮している。
消費者は中身だけでなく、「飲んだ後の扱いやすさ」にも価値を感じるようになっている。
第三は、環境価値である。
リサイクルしやすい容器や水源保全活動の訴求によって、「この商品を選ぶことが環境貢献につながる」という満足感を提供している。
第四は、防災価値だ。
近年の地震や豪雨を背景に、ミネラルウォーターは日常飲料であると同時に、重要な備蓄品となった。
長期保存可能な商品は、「安心を買う」商品でもある。
もっとも、市場には課題もある。
日本の水道水は世界でも高品質で、地域によっては「水道水の方がおいしい」と感じる人も少なくない。
また、ペットボトルごみや輸送時の環境負荷も無視できない。
人口減少の中で市場成長にも限界がある。
今後は、単なる飲料から「健康」「防災」「環境」「ライフスタイル」を支える商品へと進化していくだろう。
例えば、携帯浄水器との連携、サブスクリプション型宅配、再利用可能容器など、新たなビジネスモデルも広がる可能性がある。
無色透明の水に、ここまで多様な価値を与えたこと自体が、日本企業のマーケティング力の表れである。
ミネラルウォーターの競争は、「何を売るか」ではなく、「どんな意味を提供するか」の時代に入っている。
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