2026年5月6日付の朝日新聞が、

『磐越道事故、営業担当の「知人の知人」が運転 バス手配の会社が説明』

と題した見出し記事を報じていました。

 

各メディアの報道では、2026年5月6日に磐越道で発生した事故は、北越高校が、バス会社(蒲原鉄道)に、貸し切り運行は高額なので、レンタカー手配とマイクロバスの運転手の紹介を依頼したと報じられています。

素人考えですが、今後は、責任の所在や法的な問題(例:白バス営業)が焦点になると思います。

以下に、この記事を要約し、この事故の問題となるポイントと北越高校と蒲原鉄道は、どのような契約にするべきだったのかを、考察しました。

 

《記事の要約》

福島県郡山市の磐越道で2026年5月6日朝、北越高校(新潟市)の男子ソフトテニス部員ら20人を乗せたマイクロバスがガードレールなどに衝突し、生徒1人が死亡、他の生徒19人と運転手も負傷した事故で、バス運行の実態が明らかになってきた。

 

バスを手配したのは新潟県五泉市の蒲原鉄道。

北越高校側から「貸し切りバスは高額なので、できるだけ安く済ませたい。レンタカーを利用したい」と相談を受け、別のレンタカー業者からマイクロバスを手配したという。

 

さらに高校側は「ドライバーも紹介してほしい」と依頼。

蒲原鉄道の営業担当者は、自身の「知人の知人」にあたる68歳の男性を紹介していた。

しかし、この男性は蒲原鉄道の社員ではなく、営業担当者とも面識がなかった。

 

また、レンタカー契約時には、実際に運転する男性ではなく、蒲原鉄道の営業担当者の免許証を提示して契約していたことも判明した。

蒲原鉄道は、ドライバー紹介は正式サービスではなく、男性が報酬を受け取っていたかは確認中としている。

 

事故当時、バスには男子ソフトテニス部員20人が乗車していた。

顧問教諭は同乗せず、荷物運搬のため別の車両で前方を走行していたという。

 

事故は6日午前7時40分ごろ発生。

バスは道路左側のクッションドラムに衝突後、ガードレールに激突した。

生徒の1人が中央分離帯を越えて対向車線に投げ出され、死亡した。

 

今回の事故では、レンタカー契約や運転手紹介の方法に法的問題がなかったのか、運行管理体制は適切だったのかなど、多くの課題が浮かび上がっている。

(要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

今回の事故は、単なる交通事故ではなく、「安く済ませたい」という意識の中で、法令順守や安全管理が後回しにされた可能性が強く疑われる事案である。

問題の核心は、「誰が責任を負うべきだったのか」が極めて曖昧な運行体制にある。

 

まず大きな論点となるのが、いわゆる「白バス営業」に該当する可能性だ。

日本では、有償で乗客を運送するには、国土交通省の許可を受けた旅客運送事業、いわゆる「緑ナンバー」の営業許可が必要である。

一方、レンタカーのマイクロバスは「白ナンバー」であり、本来は借りた側が自ら運転する前提で貸し出される。

 

今回のケースでは、高校側が「運転手も紹介してほしい」と依頼し、蒲原鉄道側が運転手を紹介した。

もし運転手が実質的に報酬を受けていた場合、形式上はレンタカーでも、実態としては無許可の旅客運送、つまり白バス営業と判断される可能性がある。

 

さらに深刻なのは、レンタカー契約時に実際の運転手ではなく、営業担当者の免許証を提示していた点だ。

これは契約上も極めて問題が大きい。

レンタカー会社の保険は、通常、事前登録された運転者を前提としているため、無断の第三者運転であれば、任意保険が適用されない可能性がある。

 

もし保険適用外となれば、多額の損害賠償責任が発生する。死亡事故では数千万円から1億円規模の賠償命令も珍しくない。

運転手個人だけでなく、レンタカー契約者、紹介を行った会社、高校側にも責任が及ぶ可能性がある。

 

また、安全管理の面でも疑問は多い。

68歳の運転手が、長距離・高速道路・大型車両という高負荷条件で、部活動遠征を担当していた。

しかも顧問教員は同乗しておらず、学校側の運行監督体制も十分だったとは言い難い。

 

本来であれば、北越高校と蒲原鉄道は、「正式な貸切バス契約」を結ぶべきだった。

つまり、緑ナンバー車両、事業用運転手、運行管理者、点呼、安全管理を含めた通常の旅客運送契約である。

費用は高くなったとしても、それは安全管理コストであり、「削ってはいけない部分」だった。

 

仮に費用負担が厳しいのであれば、遠征回数の見直し、保護者負担の透明化、学校間の共同移動など、別の方法を検討すべきだった。

違法性や保険リスクを抱えた「グレー運行」で安全を確保できるほど、バス輸送は甘いものではない。

 

2012年の関越道ツアーバス事故以降、日本では貸切バス安全規制が強化されてきた。

しかし今回の事故は、「コスト優先」が続けば、制度の隙間から危険運行が再び生まれることを示した。

学校、事業者、保護者すべてが、「安さ」と「安全」のバランスを改めて考え直す必要がある。
 

 

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