<家電機器製造業における環境パフォーマンスとは>
環境パフォーマンスとは、組織が自らの環境方針、目的および目標に照らして、どの程度環境影響を低減し、持続可能な活動を実現しているかを示す測定可能な成果です。
家電機器製造業では、以下のようなライフサイクルにわたる環境影響が対象となります。
・原材料の調達
・製造工程でのエネルギー使用
・包装資材・物流
・使用時の電力消費やノイズ・排熱
・廃棄時のリサイクル適性や有害物質
したがって、製造時の環境影響に留まらず、設計や製品の使われ方、廃棄に至るまでの視点が求められます。
《家電機器製造業における環境パフォーマンスの具体例》
家電製品には冷蔵庫、洗濯機、エアコン、炊飯器、電子レンジ、掃除機など多岐にわたる製品が含まれます。
これらの製品に共通する、または特徴的な環境パフォーマンスの具体例は以下の通りです。
(1)製造工程におけるエネルギー効率
・クリーンルームや成型機、塗装ライン、乾燥炉などでのエネルギー使用量
・工場別のCO2排出原単位
(2)製品使用時の省エネ性能
・エアコンや冷蔵庫の年間消費電力量
・待機電力(特にテレビや電子レンジ)
(3)有害物質の使用管理
・鉛、カドミウム、水銀、六価クロム、難燃剤(PBDEなど)の含有量と削減
(4)製品のリサイクル率
・プラスチック筐体の再資源化率
・製品解体性や材料表示の有無
(5)包装材・輸送負荷の低減
・緩衝材やダンボールの軽量化とリサイクル材使用比率
・輸送時の積載効率向上。
《それぞれの取組み方と改善策》
(1)省エネ製造への取組み
・工場内の主要設備ごとにエネルギーモニタリングシステムを導入し、工程別原単位の見える化
・エネルギー効率の高い乾燥炉やインバータ制御の導入
・昼休みや休日の不要な電力使用の削減(デマンド管理)
(2)製品の省エネ設計(DfE:Design for Environment)
・エネルギー消費効率基準(例:統一省エネラベル)を満たす設計仕様の標準化
・モーター、圧縮機、ヒーターなどの高効率部品の採用
・AI搭載による自動制御(省エネ運転モード)
(3)環境負荷物質の削減
・RoHSやREACHへの適合を徹底
・材料調達段階からサプライヤー監査を実施し非含有証明書を取得
・製品設計段階でハロゲンフリーや鉛フリーはんだの選択
(4)リサイクル性の向上
・材料分別がしやすいように、製品の構造を簡素化(ねじ止め構造、クリック式分解)
・材料のリサイクル表示マークの明記(例:ABS、PPなど)
・製品マニュアルやメーカーサイトに回収・分解情報を掲載し回収ルートを明確化
(5)サプライチェーン全体での物流改善
・包装資材を薄肉化、統一化し再利用可能に
・輸送段階の温室効果ガス排出量をLCAで算定し、鉄道・海運へのモーダルシフトを検討
・生産拠点の集約や納品スケジュールの最適化
<結論>
家電機器製造業における環境パフォーマンスとは、製品の設計から製造、流通、使用、廃棄に至るまで、全プロセスを通じて環境への負荷を定量的に把握し、継続的に改善していく活動の成果です。
ISO14001ではこのパフォーマンスを「測定」「分析」「評価」し、「レビュー」を通じて向上させることが求められています。
家電製品は使用電力が多く、廃棄量も膨大なため、単なる工場の省エネだけでは不十分です。
製品自体の環境性能向上、資源循環の促進、物流の効率化、そして消費者教育まで含めた全体最適の視点が不可欠です。
これらの取組みを通じて、環境負荷の低減と企業の持続可能性を両立させることが、真の環境パフォーマンスの向上につながるのです。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ988号より)
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