2026年2月18日付の毎日新聞が、
『バス運転手、客の自閉症男性を怒鳴る 急停止注意され 三重交通』
と題した記事を報じていました。
個人的には、学生時代に「バスの車掌のアルバイト」を通算3年ほど経験したことがあり、関心が高い記事です。
以下に、この記事を要約し、バス会社の再発防止策について、考察しました。
《記事の要約》
三重県津市内を走る循環バス「ぐるっと・つーバス」で、運転手が急停止を繰り返したうえ、注意した乗客に怒鳴りつけていたことが明らかになった。
バスを運行する三重交通は事実を認め、当該乗客に謝罪した。
被害を受けたのは自閉症の50代男性。
正午過ぎに乗車後、赤信号での急停止が2度続き、乗客数人がバランスを崩したという。最後部座席にいた男性も前に投げ出され足を軽くひねった。
男性が「危ないよ」と声を上げたが運転手は無視。さらに目的地手前で降車する際に注意すると、「何が危ないんだ。赤信号だから止まらないといけないだろ」と大声で怒鳴ったという。
男性はショックで震えが止まらなくなり、交番に救助を求めた。
男性は障害者用ヘルプマークを身につけていた。会社はドライブレコーダーで状況を確認し、自宅を訪問して謝罪。
運転手を厳重注意とし、再発防止講習を受けさせるとしている。
(要約、ここまで)
《筆者の考察》
<バス運転士はなぜ怒鳴ったのか、バス会社の再発防止はどうあるべきか>
今回の事案は、単なる個人の資質問題ではなく、「運転技術」「職場環境」「障害理解」の三つが交錯した結果と見るべきだ。
まず技術面。赤信号で急ブレーキをかけざるを得ない状況をつくった時点で、安全運転のプロとしての余裕が欠けていた可能性がある。
路線バスでは黄色信号で減速に入るのが基本との指摘もある。急停止を繰り返せば、高齢者や障害のある乗客には大きな危険と恐怖を与える。
次に心理面。
慢性的な人手不足や過密ダイヤの中で、運転手は強いストレスを抱えている。乗客からの指摘を「クレーム」と受け取り、防御的反応として怒声に至った可能性がある。
しかしヘルプマークを着用し、勇気を持って注意した乗客に対して逆上するのは、公共交通の担い手として許されない。
さらに組織面。
過去に勤務時間管理で行政処分を受けている経緯があるなら、運行管理や教育体制に課題があった可能性は否定できない。
再発防止策は単なる「注意」や形式的講習では不十分だ。
必要なのは三点だ。
第一に、予防運転教育の徹底。急ブレーキ率や危険運転データを可視化し、個別指導する。
第二に、アンガーマネジメントと障害理解研修の導入。ヘルプマークの意味と対応方法を全社員に徹底する。
第三に、勤務環境の点検。過密ダイヤや過重労働が安全を損なっていないかを検証する。
公共交通は「移動の権利」を支えるインフラだ。安全は技術だけでなく、心の余裕と組織文化によって守られる。
今回を契機に、真の意味での安全第一を再構築できるかが問われている。
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