<電子部品製造業における環境パフォーマンスとは>

「環境パフォーマンス」とは、組織が環境方針に基づいて、環境目標をどれだけ達成しているか、環境影響をどれだけ低減できているかを示す成果指標です。

ISO 14001では、「環境側面(使用エネルギー、廃棄物、水資源等)」に対応した結果として、改善・削減・最適化などの「成果」を数値または定性的に示すことが求められます。

 

電子部品製造業においては、精密な加工や化学薬品の使用、高温処理、クリーンルーム管理などが必要であり、電力・水資源の大量使用、廃液・廃ガスの発生、有害物質の使用といった環境負荷が想定されます。

これらを管理し、改善することが環境パフォーマンスの向上に直結します。

 

《環境パフォーマンスの具体例》

以下は、電子部品製造業に特有の環境パフォーマンスの具体例です。

 

例1:使用電力量の削減

<背景>

クリーンルーム設備、製造装置、乾燥炉、検査機器などが常時稼働し、電力消費が非常に高い。

<指標>

生産量あたりのkWh(原単位)

<目標>

前年比5%の削減

 

例2:廃液の適正処理・リサイクル率の向上

<背景>

酸・アルカリ・有機溶剤などが工程内で使用される。

<指標>

回収・再利用率(%)、処理後水質(pH・COD・重金属濃度)

<目標>

有害廃液の外部処理量を削減し、無害化処理後の再利用比率を向上させる

 

例3:VOC(揮発性有機化合物)の排出削減

<背景>

洗浄工程や接着工程での溶剤使用がVOC発生の主因

<指標>

工場全体のVOC排出量(kg/年)

<目標>

前年度比10%削減

 

例4:製品ライフサイクル視点での環境配慮設計

<背景>

鉛フリーはんだの採用、RoHS・REACH対応など

<指標>

環境配慮型部品の採用比率(%)

<目標>

新規製品の80%以上をグリーン調達対応部品で構成

 

《取組み方(PDCAの視点)》

【Plan】環境目標とKPIの設定

・環境側面評価により重要な影響(エネルギー、多量の有機溶剤など)を特定

・定量的な目標と、原単位ベースでのKPIを設定

 

【Do】設備改善とオペレーション管理

・高効率インバータや照明LED化、生産設備の断熱強化による電力削減

・廃液自動回収装置の導入

・VOC吸着装置の追加や、低VOC原料の採用

 

【Check】定期モニタリングと内部監査

・電力メーター、流量計、排気分析器などによる定期測定

・環境監査を通じた逸脱の発見と是正

 

【Act】是正処置と継続的改善

・目標未達成時の要因分析(例:空調の不適切運転)

・ルート原因に対して、管理基準やマニュアルを見直し、全社展開

 

<結論>

電子部品製造業における環境パフォーマンスの向上は、単なる環境負荷の低減にとどまらず、「生産効率の改善」「コスト削減」「取引先からの信頼獲得」「法令遵守体制の強化」に直結します。

ISO 14001の要求事項を実務に即して体系的に運用することで、環境面での競争力強化が可能となります。

特に、気候変動対応・資源循環・サプライチェーン全体の環境影響にまで視野を広げることが、これからの電子部品製造業に求められる持続可能な発展の鍵となります。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ985号より)
 

 

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