2026年2月1日付のYahoo!ニュースで、経営コラムニストの横山信弘氏が、

『なぜプルデンシャル生命、かんぽ生命等、保険会社は不正を繰り返すのか? 保険業界はどうなっていくのか?』

と題した投稿をしていました。

「なるほど」と思う点も多かったので、以下にこの記事を要約し、保険業界のビジネスモデルに潜むリスクとAI時代の保険業界のあり方について、考察しました。

 

《記事の要約》

「プルデンシャル生命」の大規模不正が明るみに出てから半月以上が経過したが、波紋は収まっていない。

社員106人が関与し、約500人の顧客から総額31億円をだまし取ったとされる事件について、同社は記者会見で「個人の犯罪」と説明した。

しかし、この姿勢に対して「組織的問題を矮小化している」との批判が強い。

 

実は、保険業界の不祥事は珍しくない。

「かんぽ生命の不適切募集」、「明治安田生命の保険金不払い」、「日本生命や第一生命の支払漏れ」など、過去にも行政処分や業務改善命令が相次いできた。

 

専門家によれば、不正が繰り返される背景には業界特有の構造的問題がある。

商品が複雑で顧客が内容を理解しにくいこと、成果報酬型の営業が短期的な契約獲得を優先させやすいこと、担当者と顧客の距離が近く、不正が長期間表面化しにくい点などだ。

現場の裁量が大きい一方、会社の監視が行き届かないことも温床となる。

 

金融庁はプルデンシャル生命への検査に着手したが、制度や監督を強化するだけで不正を根絶するのは容易ではない。

証券業界でネット証券が台頭し、投資行動が大きく変わったように、保険業界も営業担当者を介さず、WebやAIで保険を選ぶ時代へと移行しつつある。

今回の事件は、その転換点を象徴する出来事とも言える。

(要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

<従来型ビジネスモデルに潜むリスクと、AI時代の保険業界のあり方>

 

従来の保険業界のビジネスモデルは、「対面営業×成果主義」を軸に成長してきた。

しかしこの仕組みは、いくつものリスクを内包している。

最大の問題は、契約獲得が評価の中心となり、顧客利益とのズレが生じやすい点だ。

商品内容が複雑なため、説明不足や過剰な不安喚起が起きやすく、顧客は「本当に必要な保険か」を判断しにくい。

その結果、不適切販売や不正が「個人の問題」として処理され、構造は温存されてきた。

 

また、営業担当者と顧客の強い信頼関係は、本来は価値だが、裏を返せばチェックが効きにくい。

顧客は担当者を信じて契約内容を細かく確認せず、不利益が発覚するまでに長い時間がかかる。

さらに、成果報酬のプレッシャーや低い参入障壁により、人材の入れ替わりが激しく、コンプライアンス意識が定着しにくいという悪循環もある。

 

一方、AI時代の到来は、この構造を大きく変える可能性を持つ。

AIを活用すれば、顧客のライフステージやリスクに応じた保障内容を客観的に提示でき、説明の標準化や透明性が高まる。

Web完結型の保険選択が進めば、「人に売られる保険」から「自分で理解して選ぶ保険」へと転換が進むだろう。

これは不正の温床となりやすい属人的営業を弱める効果を持つ。

 

ただし、AI化は万能ではない。

保険は本来、相互扶助の仕組みであり、事故や病気という不安に寄り添う側面がある。

重要なのは、AIを「営業の代替」ではなく、「判断支援と監視の道具」として使うことだ。

契約プロセスの可視化、異常契約の自動検知、説明履歴の記録などにAIを組み込み、人が担うべき最終判断と責任を明確にする必要がある。

 

今後の保険業界に求められるのは、販売量ではなく信頼の総量で評価されるモデルへの転換だ。

AIによる効率化と、人による倫理と説明責任。この両立ができなければ、保険会社は顧客から選ばれなくなるだろう。
 

 

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