<冷房及び換気装置の製造業における環境パフォーマンスとは>

環境パフォーマンスとは、組織が自ら定めた環境方針・目標に基づき、環境側面(事業活動が環境に与える影響)に対してどの程度適切に取り組み、結果として環境負荷の低減に貢献できているかを示す定量的・定性的な指標である。

ISO14001では、環境パフォーマンスの継続的改善が求められており、単なる法令遵守にとどまらず、組織の全体的な環境対応力が問われる。

 

冷房および換気装置の製造業においては、製品の設計から材料調達、製造、出荷、さらには製品の使用段階におけるエネルギー効率や廃棄時のリサイクル性まで、環境パフォーマンスの対象範囲は広範である。

特に地球温暖化への影響、フロン類の使用、使用電力量、素材の再利用可能性などが焦点となる。

 

《環境パフォーマンスの具体例と取組み方》

1)温室効果ガス(GHG)排出量の削減

冷房機器に使用される冷媒(HFCなど)は強力な温室効果を持つ。

そこで、製品設計段階で低GWP(地球温暖化係数)の冷媒へ代替することは、環境パフォーマンス改善の重要な具体例である。

また、工場においても生産設備からの冷媒漏洩防止策(定期点検、密閉化設計など)が求められる。

【取組み方】

・冷媒のライフサイクル影響評価(LCA)を導入し、最適な冷媒を選定

・製造ラインでのリークテストの強化

・冷媒回収装置の整備と技術者教育の実施

 

2)製品のエネルギー効率向上

製品の使用段階での電力消費は環境への長期的影響を及ぼす。

エネルギー効率の高いモーター、ファン制御技術(インバータ制御)、断熱設計の工夫などにより、ユーザーのCO2排出量を抑える製品が評価される。

【取組み方】

・製品ごとの年間消費電力量を算定し、目標を設定

・エコデザイン指針(ISO14006)に基づく設計部門の内部教育

・省エネ性能評価に基づく第三者ラベリング制度(省エネラベル等)の取得推進

 

3)生産工程における廃棄物削減とリサイクルの促進

冷房装置や換気機器の製造過程では、金属くずやプラスチック部品の端材、梱包材などの廃棄物が発生する。

これらを再資源化し、埋立処分量の削減を図ることも重要な環境パフォーマンスである。

【取組み方】

・工程ごとに排出される廃棄物の種類と量をモニタリング

・サプライヤーと連携した部材リサイクルルートの確立

・ゼロエミッション化(埋立廃棄ゼロ)に向けた工程改善活動の推進

 

4)製品回収とリサイクル設計

使用済み冷房・換気機器の回収と再資源化は、循環型社会の構築において不可欠である。

製品の解体容易性、素材の単一化、再使用可能部品の設計などが求められる。

【取組み方】

・使用済み製品の回収・処理業者との協定締結

・製品設計段階でのモジュール構造化と部品識別の明確化

・ユーザーへの回収案内の強化と回収率向上施策の展開

 

<結論>

冷房および換気装置の製造業における環境パフォーマンスの向上は、製品ライフサイクル全体にわたる環境影響の最小化に直結する。ISO14001に準拠したマネジメントシステムの構築と、実際の技術・運用改善の両輪で対応することが不可欠である。

とりわけ、製品設計段階における環境配慮は、顧客価値の創出にも直結し、企業の持続可能性を高める鍵となる。

環境パフォーマンスは単なる数値目標ではなく、経営戦略と一体化した継続的改善の取組みとして位置づけるべきである。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ984号より)

 

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