2026年1月19日付の「マネーポストWeb」が、

『【大学淘汰元年】文部科学省が進めてきた“少子化に逆行する大学拡張路線”がついに行き詰まりへ 私立大学の縮小・撤退に向けた動きが一気に加速する』

と題した記事を報じていました。

以下に、この記事を要約し、「私立大学の今後の動向」について、考察しました。

 

《記事の要約》

今年も大学受験シーズンが本格化し、多くの受験生が進路を決める重要な時期を迎えている。

しかし受け入れ側の大学、とりわけ私立大学を取り巻く環境は厳しさを増しており、2026年は「大学淘汰元年」になるとの見方が強まっている。

背景にあるのは、少子化の進行と、それに見合わない大学数・定員数の拡大だ。

 

総務省によると、2025年と2026年に18歳となる新成人はともに約109万人で横ばいだが、これは2006~2008年に起きた小規模な出生増、いわば「第3次ベビーブーム」による一時的な踊り場にすぎない。

2027年以降は18歳人口が急減し、2025年の出生数(約66万8000人)を基にすれば、将来の新成人は現在より4割近く減る見通しだ。

 

この人口構造の変化は大学経営に直撃する。日本私立学校振興・共済事業団によれば、2023年度時点で私立大学を運営する571法人のうち、経営状態が正常とされるのは278法人にとどまる。

残る293法人のうち136法人は「経営困難」、さらに17法人は「自力再生が困難」とされ、すでに淘汰は始まっている。

 

18歳人口がピークを迎えた1992年以降も、文部科学省は「学びたい人は増えている」として大学数と定員を増やし続け、2025年度の大学数は812校(私立624校)に達した。

進学率の上昇により一時的に需給は保たれてきたが、2026年以降はこの手法が通用しなくなる。

文科省推計では進学者数は2035年に59万人、2040年には46万人まで減少する見込みで、私立大学全体の収入は約3割、金額にして約1兆円減少する可能性がある。

 

有識者会議も「すべての法人が存続することはあり得ない」と明言しており、私立大学は縮小・撤退・再編という現実的な選択を迫られている。

(要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

<私立大学の今後の動向>

 

私立大学の今後を展望すると、「現状維持」はもはや最も困難な選択肢となりつつある。

人口減少が構造的に進む中で、今後想定される動向は大きく三つに分けられる。

第一は、定員削減や学部再編による縮小、第二は他大学や公立大学との統合・連携、第三は経営体力が尽きた場合の撤退・廃校である。

 

地方の小規模私立大学や女子大学、短期大学は特に影響を受けやすい。

これまで年内入試や留学生の受け入れで学生数を確保してきた大学も、留学生依存の限界や国際環境の変化に直面する。

体力のあるうちに整理・統合を決断する方が合理的だという声が出るのは自然だろう。

一方で、幼児教育や福祉、専門職養成など、地域に根差した分野では短大や専門性の高い私立大学が一定の役割を果たし続ける可能性もある。

 

問題の根底には、人口減少を前提としない制度設計がある。

小中高では統廃合が進む一方、大学は補助金や設置認可の仕組みにより数が維持されてきた。

今後は一律の私学助成から、教育の質や地域貢献度を重視した選別的支援へと転換し、地方と国が連携して高等教育を再配置する必要がある。

 

また、社会全体の価値観も変わりつつある。

「大卒であること」よりも、学力・資格・専門性を重視する企業が増えれば、無理に4年制大学へ進学する必然性は薄れる。

結果として、教育の質が伴わない大学は自然と選ばれなくなるだろう。

私立大学の再編は痛みを伴うが、長期的には日本の高等教育を持続可能な形に立て直すための避けられない過程だといえる。
 

 

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