2026年1月8日付の「FNNプライムオンライン」が、

『「このままじゃマンションつぶれる」車離れでガラガラ…“金食い虫”と化した機械式駐車場 空き解消の“秘策”も制度の壁』

と題した記事を報じていました。

以下に、この記事を要約し、車離れで生じる機械式駐車場への影響と法改正を含めた対応策について考察しました。

 

《記事の要約》

都市部を中心に、マンションの機械式駐車場が大量に空き、管理組合や住民にとって深刻な課題となっている。

車を利用しない世帯が増え、駐車場収入が減少する一方、機械式駐車場は使用していなくても定期点検や部品交換が必要で、維持費が大きな負担となる。

実際、川崎市や東京都板橋区のマンションでは、利用率低下を受けて駐車台を撤去したが、撤去や埋め立てに数百万円単位の費用がかかり、修繕積立金から支出せざるを得なかった。

 

背景には、1990年代のマイカーブーム期に、自治体が「1戸1台」を原則とする駐車場設置義務を課していた事情がある。

当時は路上駐車が社会問題化しており、多くのマンションが大量の駐車場を備えた。

しかし現在では、国内の1世帯当たりの車保有台数は減少を続け、高齢化や車の維持費負担、カーシェア普及などにより、駐車場の4割が空いているマンションも珍しくない。

 

さらに、近年の車は大型化・重量化が進み、従来の機械式駐車場に入らないケースも増加している。

管理組合は収入減と維持費増の板挟みに苦しみ、「このままではマンションの維持ができなくなる」と危機感を強めている。

空きスペースをトランクルームとして活用する動きも出ているが、安全性や法規制の壁があり、国と現場の間で議論は平行線のままだ。

(要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

<車離れが機械式駐車場に与える影響と対応策>

車離れが進むことで、機械式駐車場は「使われないのに維持費だけが発生する負の資産」へと変貌している。

機械式駐車場は1台あたり月数千円の修繕費がかかり、20台規模でも年間100万円前後のコストとなる。

利用率が低下すれば、その負担は駐車場を使わない住民にも及び、管理組合内の不公平感を生む。

 

車離れの背景には、高齢化、車両価格や税負担の重さ、公共交通の充実に加え、車の大型化という構造的要因がある。

3ナンバー車やSUV、重量級の車両は、古い機械式駐車場では物理的・法令的に収容できない。

結果として、駐車場は「あるのに使えない」設備となり、空きがさらに増える悪循環に陥る。

 

対応策の第一は、制度面の見直しである。

現在は新設義務こそ緩和されたが、既存駐車場の用途変更や撤去には高いハードルがある。

安全性を確保した上で、トランクルーム、カーシェア拠点、防災備蓄倉庫などへの転用を明確に認める法改正が求められる。

曖昧な解釈を避けるためにも、建築基準法や関連ガイドラインの整理が不可欠だ。

 

第二に、管理の発想転換が必要だ。ISO思考の観点で言えば、全台稼働を前提とした維持ではなく、リスクと実態に応じて段階的に縮小・停止を判断する「リスクベース管理」が有効である。

利用が見込めない設備を漫然と維持することこそが、最大のリスクとなる。

 

第三に、将来を見据えた合意形成と設計思想の転換である。

若年層や複数台保有世帯への柔軟な契約、外部貸し出しの税制整理など、選択肢を広げる工夫が必要だ。

機械式駐車場問題は、単なる設備の老朽化ではなく、社会構造の変化に制度と管理が追いついていないことを示す象徴的な課題と言える。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ993号より)
 

 

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