2026年1月12日付のRKB毎日放送が、

『今後10年で50〜100大学が募集停止!? 「短大はさらに影響大」どうなる大学の”2026年問題” 進学者減少で大学の生き残り策は』

と題した記事を報じていました。

以下に、この記事を要約し、「大学の2026年問題とは何か」また、ビジネスとしての大学の生き残り策について、考察しました。

 

《記事の要約》

「大学の2026年問題」とは、18歳人口の減少により、大学進学者数が2026年を境に減少へ転じ、大学経営に深刻な影響が及ぶとされる問題だ。

少子化が進む中でも進学率は上昇し、大学進学者数は増加してきたが、文部科学省は2026年をピークに減少へ向かうと予測している。

 

大学ジャーナリストの石渡嶺司氏は、今後10年間で4年制大学でも小規模校を中心に50~100校が学生募集を停止する可能性があると指摘する。

特に短期大学は影響が大きく、4年制大学以上に厳しい状況に置かれているという。

背景には、企業が総合職や専門職の採用において4年制大学卒を重視する傾向が強まり、短大の位置付けが不明確になっている現状がある。

 

実際、日本私立学校振興・共済事業団の調査によれば、2025年度に定員割れとなった私立大学は4年制で53.2%、短期大学では88.4%と、約9割に達した。

福岡県でも短大や4年制大学の募集停止や廃校が相次いでいる。

 

一方で、生き残りを図る大学もある。

福岡工業大学は短期大学部の募集停止を決める一方、4年制大学では半導体工学や建築デザインなどの新学部設置を進め、学生ニーズに沿った高度理工系人材の育成に力を入れている。

石渡氏は、福岡県では進学率の上昇により影響が全国より遅れる可能性があるとしつつも、物価高や人件費上昇が大学経営を直撃しており、学生が集まらない大学は厳しい選択を迫られると警鐘を鳴らしている。

(要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

<大学の2026年問題とビジネスとしての大学の生き残り策>

 

大学の2026年問題とは、18歳人口の減少が大学経営に本格的な淘汰圧力を与える転換点を指す。

これまで「進学率の上昇」で覆い隠されてきた構造的な定員過剰が、いよいよ顕在化する。

特に入学定員充足率が70%を下回ると赤字が常態化し、数年単位で見れば募集停止に踏み切らざるを得ない大学が増えると予測される。

短期大学が先行して苦境に立たされているのは、就職市場における評価の低下と、専門学校との競合という「中途半端な立ち位置」にあるためだ。

 

重要なのは、この問題を単なる「教育問題」ではなく、「事業構造の転換期」と捉える視点である。

大学は公共性の高い存在である一方、私立大学の多くは民間事業体であり、需要減少下での経営責任は避けられない。

補助金は延命策にはならず、ビジネスモデルそのものの再設計が不可欠となる。

 

生き残り策の第一は「分野選択と集中」だ。

半導体、デジタル、グリーン、医療・看護・福祉など、社会的需要と雇用に直結する分野へ資源を集中し、「とりあえず大学」層に依存しない構造へ転換する必要がある。

 

第二に、地域との関係再構築である。

教員養成や医療系など、地域の持続可能性を支える機能を担う大学は、単純な市場論理だけで切り捨てるべきではない。

自治体や企業と連携した実践教育、リカレント教育の拠点化が鍵となる。

 

第三に、進学一択の価値観を前提としない発想だ。

専門学校、高校就職、社会人の学び直しといった多様な進路と役割分担を明確にし、大学は「何を学び、何に強いのか」を可視化しなければならない。

これはISO的に言えば、「提供価値の定義」と「利害関係者ニーズの明確化」に他ならない。

2026年問題は危機であると同時に、大学が社会における存在意義を再定義する好機でもある。
 

 

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