2026年1月7日付の「TBS NEWS DIG」が、

『地元住民知らなかった!?箱根で相次ぐガソリンスタンドの閉鎖 今年3月にも新たに閉鎖し観光業にも影響が…』

と題した記事を報じていました。

以下に、この記事を要約し、ガソリンスタンドが閉鎖する原因と箱根町以外のガソリンスタンドの今後の予想、および自治体や国が取るべき対策について、考察しました。

 

《記事の要約》

人気観光地・箱根町で、ガソリンスタンドの閉鎖が相次ぎ、住民や事業者、観光客に影響が広がっている。

平日でも観光客でにぎわう大涌谷周辺では、車で訪れる人が多い一方、「ガソリンスタンドが少ない」「ナビに表示されても実際は閉まっていた」といった戸惑いの声が聞かれる。

 

取材を進めると、町内にあった5か所のスタンドのうち、すでに2か所が閉鎖。さらに2026年3月末にもう1か所が閉鎖予定で、残る給油所はわずかとなる。

閉鎖予定のスタンドには朝から多くの利用者が訪れ、地元住民からは「車は生活の足。閉まると本当に困る」と不安の声が上がる。

燃料配送業者も「給油のために御殿場や小田原まで往復1時間以上かかる。燃料を入れるために燃料を使う矛盾が生じる」と嘆く。

 

運営会社によると、背景には深刻な人手不足と慢性的な赤字がある。

地下タンクは法令上、約40年で改修や更新が必要とされ、更新費用は数千万円規模に及ぶ。

設備はすでに34年が経過し、十分な投資が難しいことが閉鎖判断を後押ししたという。

 

全国的にもガソリンスタンドは減少を続け、この30年で半数以下に減った。

箱根では観光産業への影響も深刻で、温浴施設などでは社用車や送迎バスの給油に時間がかかり、渋滞と重なれば往復1時間以上を要するケースも想定される。

箱根町は現状を重く見て、今後、民間事業者と協議を進めたいとしている。

(要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

ガソリンスタンド閉鎖の主因は三つある。

第一に「構造的な需要減」だ。

ハイブリッド車の普及や燃費性能の向上により給油回数は減少し、かつてのような頻繁な来店は期待できない。

第二に「コスト増」である。地下タンクの耐用年数問題、環境規制や安全規制への対応、人手不足による人件費上昇が重なり、特に個人経営のスタンドには致命的な負担となっている。

第三に「収益モデルの限界」だ。

整備や点検まで担っていた時代と異なり、現在は給油中心で付加価値を生みにくい。

 

箱根に限らず、山間部や農村部でも同様の現象は広がるだろう。

給油所の減少は「給油所空白地帯」を生み、住民の生活や農業、観光業、災害対応にまで影響する。

鉄道やバスが縮小する地域では、車は最後の移動インフラであり、その燃料供給が断たれれば地域の持続性は揺らぐ。

EVへの期待もあるが、充電インフラ不足や寒冷地での性能低下といった課題から、当面は万能な代替とはなりにくい。

 

では、自治体や国は何をすべきか。

第一に、給油所を「生活インフラ」と位置付け直すことだ。

採算性だけに委ねず、地下タンク更新や定期検査への補助、低利融資など公的支援を拡充する必要がある。

第二に、自治体関与型の運営モデルだ。

第三者委託や公設民営方式により、最低限の給油機能を維持する仕組みを検討すべきだ。

第三に、利用者側の意識改革も欠かせない。

観光客は事前給油を心掛け、地域住民も「使って支える」意識を持つことが、結果的に地域の安全網を守る。

 

ガソリンスタンドの減少は、単なる一業種の問題ではない。

車社会の基盤、ひいては地域の持続可能性を問う課題であり、民間任せから官民連携へと舵を切る時期に来ている。
 

 

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