2025年1月2日付の「Real Sound」が、
『2026年の干支「ひのえうま」の迷信はいつ生まれ、どんな影響を与えたのか?』
と題した記事を報じていました。
若い方は聞いたことがないと思いますが、『江戸時代から、丙午生まれの女性には「気性が激しい」「嫁ぎ先に不幸をもたらす」といった日本特有の迷信』があり、前回の丙午(1966年)生まれの世代は、出生数が少ないのです。
筆者は、学年としては、「丙午」のメイン世代(1966年4月~1967年3月)の1学年下ですが、受験期は、中学や高校、学習塾の先生達が、「丙午世代」の先輩達に「浪人すると次の世代は人口が多いから大変になるぞ」と発破を掛けていた記憶があります。
しかし、当時、子供心として、「丙午がひとまわりする60年後は、「迷信を信じる人はいなくなり、前後の世代と出生数は殆ど変わらないだろう」と思っていました。
以下に、この記事を要約し、1966年生まれが少なかった背景と2026年の出生数の傾向について考察しました。
《記事の要約》
年末年始になると話題に上る干支だが、2026年は60年に一度巡ってくる「丙午(ひのえうま)」の年にあたる。
干支は十干と十二支を組み合わせた60年周期の暦で、日本では古くから年中行事と結びついてきた。
厚生労働省の統計を見ると、前回の丙午である1966年(昭和41年)は出生数が急減し、合計特殊出生率は前年2.14、翌年2.23に対し1.58まで落ち込んだ。
背景には「丙午生まれの女性は気性が荒く、夫を不幸にする」という迷信がある。
この俗説は江戸時代に広まり、八百屋お七の逸話などを通じて「丙午の女は危険」という印象が定着した。
ただし、干支そのものは古代から使われていたものの、丙午の迷信は江戸期以降に生まれた比較的新しい信仰である。
明治期の1906年の丙午では出生数の落ち込みは限定的だったが、戦後の高度経済成長期にあたる1966年は、避妊による受胎調節の普及やメディア報道の影響もあり、意図的な出産回避が一気に進んだ。
その結果、1966年生まれは人口が少なく、受験や就職で相対的に有利な世代となった。
著書『ひのえうま 江戸から令和の迷信と日本社会』は、この現象を「迷信が社会に与えた影響」の象徴として位置付けている。
2026年の丙午は、かつてのような極端な出生減は起きないとの見方が強い。
(要約、ここまで)
《筆者の考察》
<1966年出生減の背景と2026年の出生数の傾向>
1966年の出生数が極端に少なかった最大の要因は、迷信そのものよりも「迷信を信じやすい社会条件」が整っていた点にある。
高度経済成長期に入り、子ども一人当たりにかける教育費が増大し、家族規模が縮小する中で、出産時期を調整する合理的判断が広く受け入れられた。
そこに、メディアが過去の丙午生まれ女性の結婚難を繰り返し報じ、「避けた方が無難」という空気を増幅させた。
一方で、戦前の1906年は戦争終結後の出生奨励ムードや受胎調節の未普及により、迷信があっても出生減は限定的だった。
この対比は、迷信が直接の原因ではなく、社会構造と意思決定環境が出生行動を左右することを示している。
1966年生まれは競争倍率が低く、進学や就職で有利だったという実感が多い。
結果として「不幸になる」という迷信は実証的に否定され、むしろ世代としては恩恵を受けた側面が強い。
では2026年はどうか。現在は出生率自体がすでに歴史的低水準にあり、「丙午だから産まない」という余地は小さい。
また、若年層では丙午の迷信自体の認知度が低く、差別的言説を許容しない社会規範も定着している。
ISO思考で言えば、1966年は「誤ったリスク認識に基づく過剰対応」が社会全体で起きた事例であり、2026年はその教訓が活かされる局面にある。
出生数は緩やかな減少基調が続く可能性はあるが、干支を理由とした急落は起こりにくいだろう。迷信ではなく、制度設計や生活支援といった本質的要因への対応こそが問われている。
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