2025年12月23日付のテレ朝NEWSが、
『パスポート発行手数料引き下げを正式発表 来年7月から実施で調整』
と題した記事を報じていました。
以下に、この記事を引用し、パスポート発行手数料引き下げの狙いと効果、影響について、考察しました。
《記事の引用》
茂木外務大臣はパスポートの発行手数料を7000円引き下げる方針を発表しました。
政府はパスポートの発行手数料を18歳以上10年間有効で、オンライン申請の場合、現行の1万5900円から7000円引き下げ8900円にする方針です。
18歳未満については5年間有効でオンライン申請の場合は最大1万900円でしたが4400円となります。
一方、18歳以上の5年用パスポートは廃止します。 政府関係者によりますと法改正が実現すれば来年7月にも引き下げる方向で調整しています。
(引用、ここまで)
《筆者の考察》
<パスポート発行手数料引き下げの狙いと波及効果>
政府が、外務省を通じて打ち出したパスポート発行手数料の大幅引き下げは、単なる家計支援にとどまらず、日本人の国際的な往来を再活性化する狙いを持つ政策である。
18歳以上の10年用パスポートをオンライン申請に限って7000円引き下げ、18歳未満についても大幅減額とする一方、18歳以上の5年用を廃止する設計は、行政コストの効率化と長期利用の促進を同時に狙ったものだ。
第一の狙いは、日本人のパスポート保有率の低下への歯止めである。
コロナ禍以降、海外渡航は急減し、円安や物価高も相まって「海外は高嶺の花」と感じる層が増えた。
費用を下げても渡航意欲が直ちに高まるとは限らないが、取得時の心理的・金銭的ハードルを下げること自体は、若年層や学生にとって意味がある。
韓国のように取得費用が低い国では、若いうちから海外経験を積む土壌が整っており、国際感覚の涵養という観点からも一定の効果が期待できる。
第二に、デジタル行政の推進という側面がある。
オンライン申請に限定した値下げは、窓口業務の削減や事務効率化を促し、長期的には行政コストの抑制につながる。
5年用廃止も、更新頻度を下げることで事務負担を軽減する合理的判断といえる。
一方で、政策効果には限界もある。
実質賃金が伸び悩む中で、パスポートが安くなっても渡航費や宿泊費が高止まりしていれば、海外旅行の裾野は広がりにくい。
また、訪日客増加による宿泊費高騰やマナー問題への不満も根強く、外国人向けビザや税制とのバランスを欠けば、国内の不公平感を助長しかねない。
総じて今回の値下げは、「海外に出る入口」を広げる施策として評価できるが、真に日本人の国際往来を活性化するには、所得環境の改善、航空・宿泊市場の安定化、質の高い観光政策との一体運用が不可欠だ。
入口の改善と同時に、出口(実際に行ける環境)を整えることこそが、この政策を生かす鍵となる。
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