2025年12月19日付の京都新聞が、
『ニデック創業者の永守重信氏が代表取締役辞任 非常勤の名誉会長に』
と題した記事を報じていました。
個人的には、永守氏は、「経営に意欲的で、経営の第一線から退くのはまだまだ先」と思っていたので、報道を知ったときは意外でした。
以下に、京都新聞の記事を引用し、今後の二デックについて考察しました。
《記事の引用》
ニデックは2025年12月19日、創業者で代表取締役グローバルグループ代表(取締役会議長)を務めていた永守重信氏(81)が、同日付で全ての役職を辞任したと発表した。
辞任は本人の意向によるものという。
永守氏は今後、非常勤の名誉会長に就任する。後任の取締役会議長には岸田光哉社長が就く。
ニデックでは今年9月、グループ会社で複数の不適切な会計処理が行われた疑いが判明し、弁護士や公認会計士で構成する第三者委員会を設置した。
2025年3月期の有価証券報告書は3カ月遅れで提出されたが、監査法人は監査意見を表明しない対応を取った。
この事態を受け、東京証券取引所は10月、同社を「特別注意銘柄」に指定している。
第三者委員会の調査は長期化しており、不適切会計の全容解明は年をまたぐ見通しだ。
永守氏は職業訓練大学校電気科卒業後、ティアック、山科精器を経て1973年に日本電産(現ニデック)を設立。
積極的なM&Aと海外展開を進め、売上高2兆円を超える世界的モーターメーカーへと成長させた。
2018年に会長、2024年4月からは代表取締役グローバルグループ代表を務めていた。
永守氏はコメントで「ニデックの企業風土について世間の皆様にご心配をおかけしたことを申し訳なく思う。
再生が最重要課題の今、経営から身を引く決断をした」と述べている。
(引用、ここまで)
《筆者の考察》
<永守氏退任後のニデックの可能性(期待と懸念)>
永守重信氏の退任は、ニデックにとって一つの時代の終わりであると同時に、経営体制を根本から見直す転機とも言える。
最大の期待は、創業者個人の強烈なリーダーシップから脱却し、組織としてのガバナンスとマネジメントシステムを再構築できる点にある。
永守氏は卓越した先見性と実行力で企業を急成長させたが、その一方で、トップ主導の意思決定や成果至上主義が、内部統制や会計の健全性に十分目が行き届かなかった可能性も否定できない。
今回の不適切会計疑惑は、まさに「人に依存した経営」の限界を示した事例と言えるだろう。
今後の期待は、岸田社長を中心とした新体制が、経営判断を属人的な勘や号令ではなく、ルールと仕組みに基づいて行えるかどうかにかかっている。
ISO思考で言えば、リスクを前提としたマネジメント、内部監査や是正処置の実効性、利害関係者への説明責任を強化することで、信頼回復と持続的成長の土台を築く好機でもある。
一方、懸念も大きい。創業者が事実上の最終判断者として存在してきた企業では、退任後に意思決定が遅れたり、責任の所在が曖昧になったりするケースが少なくない。
また、永守氏のカリスマ性が薄れることで、社員の求心力やグループ統制が弱まる可能性もある。
さらに、不適切会計問題の調査が長期化すれば、市場や取引先の信頼低下が続き、成長投資やM&A戦略にも制約が生じかねない。
創業者退任を「幕引き」とするのではなく、過去の経営を検証し、仕組みとして再発防止を徹底できるかが問われている。
永守氏の退任は終わりではなく、ニデックが真にグローバル企業として成熟するための試金石である。
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