2025年12月14日付の東海テレビが、
『住民「注意するのも怖い…」アルミ缶等の持ち去り禁止条例施行へ 異論唱える“持ち去る側”の事情「おまんま食えない」』
と題した記事を報じていました。
以下に、この記事を要約し、「アルミ缶等の持ち去り禁止条例施行」の懸念点を考察しました。
《記事の要約》
名古屋市は、家庭ごみとして出されたアルミ缶などの「持ち去り」を禁止する条例を、2026年4月に施行する方針を示した。
背景には、近年の金属価格高騰により、アルミ缶や金属類を狙った持ち去り行為が急増している実態がある。
市への通報件数は2020年度の6件から2024年度には152件へと25倍以上に増加し、市が回収・リサイクルすることで得られる収入も、2024年度分で少なくとも約5000万円の損失が生じていると推計されている。
条例では、アルミ缶に限らず、不燃ごみや粗大ごみなど全ての家庭ごみが対象となり、施行後は違反者に対し最大50万円以下の罰金が科される。
名古屋市は「市民がルールを守って排出した資源は、市が責任を持って適正に処理する」とし、地域や市民サービスの財源を守る狙いを強調する。
一方で、生活の糧としてアルミ缶回収を続けてきた人々への影響も大きい。
高架下で暮らす86歳の男性は、アルミ缶回収で週に約1万5000円の収入を得てきたが、条例施行後はその手段を失う。
支援団体からは、問題の多くは車で大量に持ち去る悪質業者にあり、生活困窮者を一律に取り締まることへの懸念や、就労支援などの代替策を求める声が上がっている。
また、地域住民側からは、町内会補助金の減少や治安・安全面への不安、注意しづらい現場の実情が語られ、資源ごみを巡る利害と価値観の対立が浮き彫りになっている。
(要約、ここまで)
《筆者の考察》
<懸念点と市民が取るべき対応>
アルミ缶等の持ち去り禁止条例は、資源循環と地域財源を守るという点で合理性がある一方、いくつかの重要な懸念点を抱えている。
第一は「一律規制の弊害」である。
記事が示す通り、問題の中心は軽トラックなどで組織的に回収する悪質業者であり、生活困窮者が自転車や徒歩で集める行為とは性質が異なる。
これを区別せずに規制すれば、社会的弱者の生計手段を断つ結果になりかねない。
第二に「現場の摩擦と不安の増幅」である。
住民からは、睨まれる、悪態をつかれる、注意するのが怖いといった声が多く、条例施行後は通報や監視が増え、地域の緊張感が高まる恐れがある。
単なる禁止では、住民と回収者、行政の間に不信を残すだけになりかねない。
第三に「運用の実効性」である。
資源ごみは自治体の財産と整理でき、理屈の上では窃盗として取り締まれる。
しかし、警察が積極的に動かない現実の中で、条例が形骸化する可能性も否定できない。
では、市民はどう対応すべきか。
第一に、分別や排出ルールを改めて徹底することである。
混在排出は持ち去りを助長し、トラブルの温床になる。
第二に、個人での直接注意は避け、町内会や行政への情報共有に留める冷静さが必要だ。
第三に、条例の運用状況に関心を持ち、悪質業者対策と生活困窮者への就労・福祉支援が両立されているかを市民として監視する姿勢が重要である。
ISO思考の観点で言えば、問題を「禁止」で終わらせず、原因分析(悪質業者と生活困窮者の区別)、利害関係者(住民・行政・回収者)の期待の整理、代替プロセス(就労支援や管理体制)の構築まで含めたマネジメントが求められる。
資源を守ることと人を守ることを同時に実現できるかが、この条例の真価を決める。
【好評発売中!】
『サービス業のISO(設計・環境側面・危険源・気候変動)』(令和出版)2025年4月30日発売
『~マーケット・クライアントの信頼を高めるマネジメントシステム~ サービス業のISO (設計・環境側面・危険源・気候変動の実践ガイド)』 著:有賀正彦 - 令和出版
『できるビジネスマンのマネジメント本』(玄武書房)
https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/
【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓
(パソコンでアクセスしている方)
http://www.mag2.com/m/0000218071.html
(携帯でアクセスしている方)
http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html
Twitter:https://twitter.com/ariga9001